国土交通省が4月30日に公表した2013年度「建設業活動実態調査」の結果によると、国内売上高の総額は12兆6397億円(前年比2.5%増)で2年連続の増加、設備投資額も1227億円(前年比9.3%増)となり、3年ぶりの増加となった。調査対象55社のうち海外展開しているのは48社で海外建設事業の契約金額は1兆8413億円(前年19.5%増)となり3年連続で増加した。
調査は急激な国内経済情勢、海外建設市場等の環境変化により、建設活動の動向に大きな変革期を迎えている建設業の今後のあり方を考え、また、建設産業の新しい構造改善の方向性を検討するために、その実態把握を目的に行った。
調査対象は、約51万社に及ぶ建設業許可業者の中でも、大きな市場シェアを有すると共に多角化・国際化等の面で実績を有する大手建設業者55社(総合建設業35社、設備工事業20社)で、直近の決算期末または決算期間内における企業活動の実態を調べた。
国内売上高の総額は12兆6397億円で2年連続の増加となった。事業別に内訳を見ると、土木建築工事が9兆4043億円(前年比1.4%増)、設備工事が2兆6782億円(同5.1%増)だった。また、建設工事以外の売り上げは、建設関連業が1325億円(同33.9%増)、不動産業、設備機器の製造・販売等のその他が4248億円(同3.4%増)となっていた。
設備投資額は1227億円となり、3年ぶりの増加だった。分野別に内訳を見ると、研究所66億円(前年比40.9%増)、資機材センター14億円(同54.3%減)、その他の設備投資1146億円(同9.8%増)となっていた。
国際化の状況では、海外へ展開している会社は48社。海外建設事業の契約金額の総計は1兆8413億円となり3年連続の増加。原発注者別では、日系企業及び公共機関は増加した。またプロジェクト別では、全プロジェクトが増加した。
今後の展開として、拡大としたのは29社と、2012年の25社から増加した。また、海外建設事業で解決しなければならない事項及び今後の海外展開において重点・比重を置く項目として「情報収集・調査・コミュニケーション能力」及び「現地での労務管理・教育」との回答が最も多かった。
海外建設事業について、「受注高の多い国と地域」と「受注高を伸ばしたい国と地域」は、ともに東南及び東アジアが上位を占めており、同地域への関心の高さが窺える。その中で、「受注高を伸ばしたい国と地域」では、インドネシア共和国、ベトナム社会主義共和国及びタイ王国が多かった。(編集担当:横井楓)