30日、国土交通省が発表した「建築着工統計調査報告」によれば、3月の新設住宅着工戸数は前年同月比2.9%ダウンの6万9411戸であったことが分かった。1年7ヶ月ぶりの減少であった。これは4月に実施された消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減による影響とみられ、持ち家と分譲住宅の着工戸数がマイナスとなった。
持ち家は前年同月比13.0%ダウンの2万165戸であり、2ヶ月連続のマイナスであった。住宅購入契約時に5%の消費税率が適用された9月末までの受注残高がなくなったことが影響したとみられる。マンションなどの分譲住宅は前年同月比8.5%ダウンの1万8468戸で、こちらも2ヶ月連続でのマイナスだった。
その一方で、アパートなどの貸家は前年同月比11.3%アップの2万8925戸で、13ヶ月連続のプラス。貸家は、15年1月の相続税増税対策の一環として自宅を賃貸住宅との併用に建て直すなどの需要が旺盛だった。
国土交通省は今回の発表に際して、「今後の先行きについては、雇用・所得環境の推移、東日本大震災からの復興状況、建設労働者の需給状況、住宅ローン金利の動向等を引き続き慎重に見極める必要がある」としている。
同日には、13年度の新設住宅着工戸数も発表された。それによれば、前年度比10.6%アップの98万7254戸であった。上昇に転じた10年以降、4年連続でのプラスとなった。また、こうした新設住宅着工戸数の2ケタ伸長は、バブル期の1987年度の23.5%アップ以来26年ぶりとなる。
持家は前年度比11.5%アップの35万2841戸で、2年連続でのプラス。貸家は前年度比15.3%アップの36万9993戸で、やはり2年連続のプラス。マンションなどの分譲住宅は前年度比0.2%ダウンの12万3818戸で、4年ぶりのマイナス。また戸建て住宅は前年度比7.5%アップの13万3906戸という結果であった。マンションなどの分譲住宅のマイナスは、首都圏、特に東京都での減少(前年度比8.7%ダウン)が影響した模様。
三大都市圏はすべて前年度を上回り、首都圏は前年度比6.8%アップの33万7699戸、中部圏は前年度比12.0%アップの11万5526戸、近畿圏は前年度比12.8%アップの14万8618戸だった。それ以外の地域も前年度比12.7%アップの38万5411戸と堅調であった。(編集担当:滝川幸平)