反転授業を知っていますか? 武雄市で導入された斬新な教育スタイルとは

2014年05月11日 10:38

 反転授業というものが教育の場では注目を受けている。反転授業とはいったい何か。まさか、授業の先生と生徒という役割・立場を反転するのか。講義を子供がするのか。そうではない。それでは、授業のやり方を反転するのか。まずテストをして、その理解度に基づいて講義をする。いや、そうでもない。いったい何を反転させるのか。

 答えは、授業・宿題という授業の手順を反転するのだ。具体的に言うと、子供が事前に、授業の動画をタブレット端末で見る。そして学んでいく。その後、授業では、動画での疑問点を教えあい、必要なら応用問題を解く。宿題として映像を使って、予習を手厚く理解出来るまでやるということだ。

 この仕組みは、2007年頃アメリカのある教師が行ったことがきっかけで、現場に広がり、研究機関に評価され、アメリカでその動きが広がっている。カーン・アカデミー(Khan Academy)、コーセラ(Coursera)、ユーデミー(Udemy)などオンライン学習が盛んになっていることも背景にあるのだろう。日本の大学でも反転授業は取り入れられ、佐賀県武雄市では、13年11月から新しい授業スタイルとなる反転授業の試みが開始された。IT、情報通信技術の発展が教育現場にも及んだ形だ。

 先生にとっては、授業中に生徒それぞれに丁寧に対応できる、生徒にとっては自分のペースで学習に取り組めるなどのメリットが指摘されている。教育成果面でも、科学技術振興機構のある論文では「生徒の学習時間を実質的に増加させる」「授業で学んだ知識の確認や協同学習に充てることが可能となる」「学習の進度を早めることも可能」と指摘されている。

 こうした取り組みは、実験的な試みとしては大変意義があると思う。佐賀県では「ICT(情報通信技術)利活用教育の推進」を掲げ、全県規模で取り組んでいる。しかし、高校生にPCタブレットを配布したものの、無料で手に入れることができるオープン教材一部の教材ソフトがダウンロードできない不具合が発生するなどの混乱も報道されている。

 アメリカの大学では、反転授業によって実際に生徒の成績が向上するなど効果が出ているそうだ。しかし、教育は成果測定が非常に難しいものだし、大学だからこそ合っているのではないかとの疑問も生じる。反転授業を先生たちはそもそも運用できるのか、保護者や子供自身の負担にならないか、といった課題をどう解決していくのかを見守りたい。(編集担当:久保田雄城)