業績不振によりパソコン事業の売却、また今期も最終赤字予想となるなどあまりいいニュースを耳にしないソニー<6758>ではあるが、その子会社であるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、2013年11月に発売した「プレイステーション4(PS4)」の販売台数が14年4月の時点で700万台を突破し全世界で供給が追いつかない状態になるなど、親会社とはうって変わって好調さが伺える。
そんな中、ソニー・コンピュータエンタテインメントは9日、14年秋頃に北アメリカで、テレビに接続することで映画や番組などを視聴することができたり、専用のゲーム機を使わなくても古いタイトルのゲームをプレイすることのできるセットトップボックス「プレイステーションTV(PSTV)」を発売すると発表した。
これはアメリカのロサンゼルスで開催されている世界最大のゲーム見本市「E3」にて明らかにされたもので、価格帯は99ドルを予定している。
この「プレイステーションTV」は、13年11月から日本およびアジア地域でも実験的に発売されており(日本での名称は「PSヴィータTV」)、ストリーミングゲームサービス「プレイステーションNow(PS Now)」に接続して利用する。またこの「プレイイステーションTV」では映画や番組、音楽などを購入・レンタルすることができ、こうしたサービスの提供によりソニー・コンピュータエンタテインメントとしては、ネットワークサービス経由による娯楽コンテンツの配信を強化したい考えだ。
またソニー・コンピュータエンタテインメントは「E3」にて、「プレイステーション4」初となるカラーバリエーションとして、「グレイシャー・ホワイト」カラーの「プレイステーション4」本体を今年の秋から世界各地で順次発売するとの発表を行った。これに合わせて同じカラーの縦置きスタンド、ワイヤレスコントローラーなども発売されるという。
米マイクロソフトおよび、同社が発売している「Xbox(エックスボックス)」と熾烈な競争を繰り広げているソニー・コンピュータエンタテインメントではあるが、今回の「プレイステーションTV」の北米での発売開始が競争にどういった影響をもたらすか、その動向に関係者のみならずユーザーからの注目も高まっている。(編集担当:滝川幸平)