京セラらが世界最大の発電能力430MWの営農型太陽光発電計画を開始

2014年06月16日 12:43

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長崎県佐世保市宇久島に世界最大となる最大出力430MWの営農型太陽光発電所が誕生する。事業用地は、島面積のおよそ4分の1に相当する。

 独フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP)、京セラ<6971>、九電工<1959>、オリックス<8591>、みずほ銀行の5社は12日、長崎県佐世保市宇久島において、世界最大となる最大出力430MWの営農型太陽光発電事業の検討を協力して進めることに基本合意したと発表した。

 この事業は2013年4月より、ドイツに本拠を置く太陽光発電所のプロジェクト開発会社であるPVDPが、地球環境保護への貢献、また離島である宇久島の経済活性化を図り、島の再生を目的に計画しているメガソーラープロジェクト。同社の計画では、総投資額は1500億円程度を見込み、15年度の着工を目指している。

 事業用地として見込む土地面積は、合計で約630万m2(東京ドーム約134個分)と島面積のおよそ4分の1に相当する。年間発電電力量は約50万MWhとなる見込みで、一般家庭約13万8800世帯分の年間消費電力量に相当し、また年間約25万2200tのCO2削減に貢献する予定。太陽電池は、全て京セラ製多結晶シリコン型の高出力モジュールを使用し、430MW分約172万枚を設置する計画だ。なお、本発電所で発電した電力は、宇久島と本土との間に約60kmの海底ケーブルを敷設し、九州電力に売電することを想定している。

 事業スキームは、事業用地の交渉をおこなう宇久島メガソーラーパークサービス株式会社(UMSPS)が、島内の農地や耕作放棄地などを土地所有者から借り受け、発電事業のSPC(特別目的会社)であるテラソール合同会社に転貸する。テラソール合同会社は、借り受けた農地に太陽光発電所を建設し、発電事業を運営する予定。

 農地に支柱を立て、上部空間に太陽光発電設備を設置することで、発電所内での営農が可能となる。またUMSPSは、テラソール合同会社からの営農支援金をベースに、畜産農家に農作業を委託し支援することで、島の主要産業である農業と発電事業の両面で宇久島の地域振興に大きく貢献する。

 京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行の4社は、この趣旨に賛同し、営農型太陽光発電による環境ビジネスの創出によって、宇久島の安定的な営農の継続・拡大を支援し、島の発展に寄与すべく、PVDPと事業参画の検討に関する基本合意にいたった。京セラグループは太陽電池モジュールの全てを供給し、九電工とともに施工ならびに保守・管理を担当する。みずほ銀行はプロジェクトファイナンスのスキーム検討および取りまとめを担当する予定。また、京セラ、九電工、オリックスの3社は、テラソール合同会社への出資を行うことを検討している。(編集担当:慶尾六郎)