九電が再生エネルギー事業を統合 新会社設立へ

2014年06月03日 07:46

 注目を集める再生可能エネルギーだが、九州電力<9508>はこれまで、子会社で分散してきた同事業を、新会社に統合する。

 九州電力は29日、再生可能エネルギーさらなる開発推進を図るため、九州電力の再エネ開発部門を含め、九州電力子会社の西日本環境エネルギー株式会社(NEECO)および株式会社キューデン・エコソル(エコソル)の再エネ事業を集約し、再エネ電源全般の開発を行う「九電みらいエナジー株式会社」を本年7月1日に設立すると発表した。

 新会社九電みらいエナジー株式会社は、本社所在地は福岡県福岡市。資本金は6億4545万円、出資比率は九州電力株式会社100%。社員数(設立時)は100名程度を予定している。

 九州電力の再エネ開発部門(発電本部他)を含め、再エネ事業を展開しているNEECO(分散型電源事業、省エネコンサル事業、中小地熱発電事業、バイオマス発電事業)およびエコソル(太陽光発電事業)の再エネ事業を統合(エコソルを母体として設立)する。また、九州電力子会社の長島ウインドヒル(長島WH)および串間ウインドヒル(串間WH)、NEECO子会社のみやざきバイオマスリサイクルを子会社化する。

 九州電力と連携のもと、地域社会に対し、責任ある事業者として再エネの普及拡大に努める。そのため、再エネの発電事業を実施するとともに、関連するサービスもユーザーに提供し、地域社会からの再エネへの幅広いニーズにワンストップで対応していく。

 具体的には、太陽光発電、風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電といった再エネ電源全般に係る調査、計画から建設、運営管理までの一貫した技術・ノウハウを活用した発電事業を実施するとともに、システムインテグレーション事業やエネルギーサービス事業も展開する。

 また、新会社は、これまで九州電力及びグループ会社が培ったノウハウや人材などの経営資源を有効活用し、また、九電グループ大における再エネ開発の中核会社として、北海道や東北地方など域外への展開も視野に入れる。設立10年で70万kW(累計)の導入を目指す。

 九電の再生エネルギーは2013年3月31日時点で、水力発電が142カ所で設備量は計358.2万kW、地熱発電(バイナリー含む)は6カ所で計21.2万kW、風力発電は2カ所で計0.3万kW、太陽光発電は1カ所で計0.3万kW、を供給している。今回の新会社がこれらを統括することになる。2015年には新会社の売り上げは20億円を目標としているという。(編集担当:慶尾六郎)