5月の全国の百貨店の売上高総額は前年同月4.6%減の4618億4834万円となった。これは、店舗数調整後/2カ月連続のマイナスである。日本百貨店協会は18日、「平成26年5月全国百貨店売上高概況」を発表した。今回の調査対象百貨店は84社、241店 (4月対比±0店)、総店舗面積は6178万469m2(前年同月比:-0.9%)、 総従業員数は8万40人 (前年同月比:-2.6%)。
5月は消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動で、2カ月連続のマイナスとなった。しかし、減少幅は前月の12.0%という二桁から大きく改善したほか、前回引き上げがあった97年5月(-5.1%)との比較でも0.9ポイント上回り、反動幅は徐々に縮小している。また、消費者の付加価値志向が高まっていることを背景に、消費税対策で各店が新商品の投入や販促催事を積極展開したことに加え、気温上昇など天候要因にも恵まれたことなどから、前年実績を上回る店舗が増加しており、回復基調は一段と明確になってきていると分析している。
札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡の10都市売上動向は同3.7%減の3098億91万円で、こちらも2カ月連続マイナスとなった。増床・改装効果で大阪が前年並みを記録したのをはじめ、それ以外の地区でも減少幅は一桁にとどまり、前年を二桁割り込む地域はなくなった。10都市以外の地区売上動向は同5.4%減の1520億4742万円で、2カ月連続の連続マイナスとなった。
商品別では衣料品・身のまわり品、雑貨、家庭用品、食料品の主要5品目は、2カ月連続で全品目がマイナスとなった。しかし、先月は駆け込み需要の反動から食料品以外の4品目が二桁マイナスしていたが、今月は雑貨を除く4品目が一桁マイナスとなった。また、菓子が2カ月ぶりにプラスに転じ、その他の品目もすべて先月の伸びを上回った。
駆け込み需要で大幅伸長した美術・宝飾・貴金属(-23.2%)や家具(-15.6%)など一部高額商材の戻りは遅れているものの、クールビズ需要がけん引した紳士服(-1.4%)をはじめ主力の衣料品(-3.9%)や身のまわり品(-2.9%)が堅調であったほか、前月まとめ買いの反動で二割減の化粧品(-6.5%)も大きく改善傾向を示した。また、駆け込みの影響が薄い食料品(-0.7%)がほぼ前年並みに推移したことなども、商況全体を下支えする要因となったと分析した。(編集担当:慶尾六郎)