財務省は今年の2月に、2013年度末の借入金や国債、政府短期証券を合わせた日本の借金は1017兆9459億円だったとの発表を行った。同年の6月に初めて1000兆円を超えて以来、借金の増加に歯止めはかからずそのまま過去最大を更新することとなった。これはよく言われる言い回しだが、もしこれが一般企業の財政状況であったなら、とっくに倒産していることだろう。しかしこうした財政赤字でも、国には経済を回さなければいけない責務がある。それは理解できるのだが、それにしてもこんなに借金を抱えてしまって、この国の先行きは一体どうなってしまうのか? そうした懸念を抱かずにはいられない。
こうした「国の借金」は借入金、国債、政府短期証券などによって膨らんでいるわけなのだが、日本銀行が18日に、新たな国債の買い入れ方針を発表した。新たに発表された方針は、5月29日に発表されていた内容を修正したもので、6月23日以降の通告分より適用される。
従来の発表内容では、1回あたりの買い入れ額を、残存期間1年以下の国債は1100億円程度、残存期間10年超は2000-3000億円程度としていたが、それを今回の修正により、1年以下の国債を1100-2000億円程度に、10年超は1500-3500億円程度とした。これにより、1年以下は増額する可能性が、10年超は減額する可能性が含まれることとなった。
また、6月23日以降は残存期間10年超25年以下を1000億円、25年超を300億円買い入れるとしている。
日本銀行は国債保有の残存期間を平均7年程度とする目標を掲げていたが、これを上回ったため今年に入ってから超長期債の買い入れ額の引き下げを行っていた。そして今回の修正には、40年債など超長期債が日本銀行に多く持ち込まれるなど、国債保有の平均残存期間が長期化するなか、超長期債の買い入れ額を減額させる一方、短い期間の国債を増額させ、年限長期化を抑制する狙いがあるとみられている。
日本銀行は消費者物価の前年比上昇率を2%程度で安定させることを目標に、13年4月より大規模な金融緩和政策(異次元緩和)を行って以来、毎月7兆年程度の日本国債を買い入れている。冒頭で13年度末の「国の借金」について述べたが、財務省は14年度末にはそれが1143兆円に達する可能性があるとの見通しを示している。この膨大な借金を返せる日は来るのか? 懸念は増すばかりだ。(編集担当:滝川幸平)