ルノー日産アライアンスとダイムラーAGの協業による最新工場が米国に完成

2014年06月30日 07:25

INFOGRAPHIC: Infiniti Powertrain Plant

インフィニティが米テネシー州デガードに建設していた新エンジン生産工場が完成した。ここで最初に組み立てるエンジンはダイムラーが開発した新エンジンとなる。

 米国を拠点としてグローバル展開する日産の高級車ブランド、インフィニティが米テネシー州デガードに建設していた新エンジン生産工場が完成した。

 この新エンジン工場は、ルノー日産アライアンスとダイムラーAGの共同プロジェクトで、3億1900万ドルの投資によって31万平方フィートの土地に建設された最新鋭のエンジン生産施設である。建設は2012年5月から始まっていた。工場には、熱を反射する白い屋根や天窓のグリッドを利用した太陽光の採光など、エネルギー効率の良い設計機能が数多く組み込まれている。

 新工場で組み立てる最初のエンジンは、ダイムラーが開発した2リッター直列4気筒直噴ガソリンターボエンジン。このエンジンは、インフィニティQ50(日本名:スカイライン)の米国とEU向け車両とアラバマ州タスカルーサで組立てられるメルセデス・ベンツCクラスに搭載する。

 現地で行なわれた新工場のオープニング・セレモニーには、テネシー州の州知事であるビル・ハスラム氏、インフィニティの責任者であるヨハン・ダ・ネイシン氏、インフィニティアメリカの副社長 マイケル・バーチュ氏やメルセデス・ベンツのエンジン生産デレクターであるエルハード・シュレッテーラー氏らが出席したという。

 そのイベントの席で、ダ・ネイシン氏は「この新工場の稼働は、私たちの製造拡大の第1歩です。インフィニティは成長を促進するために、能力増強が必要です。私たちの成長は商品ラインナップの拡大により推進します」と述べたという。

 この新工場はルノー日産アライアンスとダイムラーAGの強力なコラボレーションを具現化したもの。新工場は、両社の最高レベルとされる生産技術、専門知識、製造規格を結集したものであり、今後はこの協業の相乗効果とスケールメリットを享受できることとなるだろう。

 新工場では、これまでに約200名の従業員が新たに採用されている。が、年間生産能力が最大規模となる25万基のエンジン生産が行なわれる将来、その数は倍増し400名まで増えるという。今後、当該工場はルノー日産アライアンスとダイムラーAGの技術力を集結した新しいパワートレーンの製造拠点となるだろう。

 インフィニティは、今年の後半にロングホイールベースバージョンのQ50スポーツセダンとロングホイールベースバージョンのQX50クロスオーバーを中国で現地生産して、中国市場に向けて発売すると発表。また、来年早々には、プレミアムコンパクトカーであるQ30(メルセデスAクラスとプラットフォームを共用する5ドアHB車)の生産を英国サンダーランド工場で開始し、世界市場に向けてグローバル展開する予定だ。(編集担当:吉田恒)