ラグジュアリーカーといえば、完全に欧州メーカーの土壇場である。ロールスロイス、アストンマーチン、マセラティ、フェラーリ、ポルシェ。そして上級車種におけるメルセデス・ベンツ、BMWといったところだろう。もちろん米国のキャデラックやリンカーンを加えることもできるがやはり格が違うといっていいだろう。
そんな中、トヨタ<7203>が持つブランド、レクサスは健闘しているといっていいだろう。しかし、実際に欧州の大都市を旅するとわかるが、米国や日本に比べて、レクサスを見かけることは少ないし、日産自動車<7201>の有するブランド、インフィニティ(日本には未導入)もあまり見かけない。そんな中、インフィニティが初めて、欧州で生産されることになったのは、日本のラグジュアリーブランドも確実に彼の地で存在感を増していると考えて良いだろう。因みに、レクサスは欧州での生産は行っていない。
日産自動車は、英国サンダーランドにて、欧州初のインフィニティ生産工場に着工したと発表した。サンダーランド工場では、インフィニティの生産の為に、総額2億5,000万ポンドの投資を行う。日産の副社長であるトレバー マン氏とインフィニティの欧州、中東およびアフリカ担当の副社長であるフィンタン ナイト氏は10月14日、鍬入れ式を行った。
「サンダーランド工場におけるインフィニティ『Q30』の生産は、これまでの全従業員の努力と彼らによる高品質を証明するものです。英国最大の自動車工場であるサンダーランド工場は、今回の2億5,000万ポンドの投資により、更に質の高い工場となり、その将来性を約束する証となります。」とトレバーマン氏は述べている。
英国への投資は、欧州でのインフィニティブランドのプレゼンスを拡大させるものであり、更に、2015年のプレミアムコンパクトカー『Q30』の投入へ向けた同社の明確な姿勢を示すものだ。インフィニティは、今後数年間で商品ラインアップを拡大していくとしている。
インフィニティは、23年ぶりに英国で生産される新しい自動車ブランドになる。「Q30」の生産のために、新たに車体工場と組立て工場が2万5,000平方メートルの敷地に増設される。
この生産拡大により、サンダーランド工場と英国のサプライヤーでは新たに1,000人の雇用が創出され、そのうちサンダーランド工場では280名の新たな雇用が生み出されるという。(編集担当:久保田雄城)