どこまで自動車の燃費は伸びるのか。昨年11月にスズキ・アルトエコが記録したリッター当たり35.0kmの燃費を8カ月振りに更新したのは、タイトルのとおり、マイナーチェンジしたダイハツ・ミラ イースの35.2km/リッターだ。わずか0.2km/リッター上回るだけだが、技術陣の苦労は半端じゃないはずだ。ダイハツは、おなじ車両をトヨタにOEM供給しており、姉妹車トヨタ・ピクシス エポックも同様の燃費を記録する。7月9日から発売となった。
今回のマイナーチェンジでは、ダイハツの省エネルギー技術「e:S(イーエス)テクノロジーの一層の進化によって低燃費を実現したという。パワートレーンであるKF型の直列3気筒DOHCエンジンは、従来の11.3圧縮比を12.2までアップさせ(ただし、執筆時点におけるダイハツHPの諸元表の圧縮比表記は更新されていない)て熱効率を上げ、同時に、混合気の渦流(タンブル)の強化のための吸気ポート改良、点火初期火炎拡大のための高着火スパークプラグを採用し、熱効率向上の拡大を図った。このあたりの説明は、2カ月ほど前にトヨタが発表して新エンジン群の技術解説と一致する。相互に技術供与が進んでいることは明かだ。
高圧縮比に伴うノッキング回避する技術としてエンジンを可変バルブによってアトキンソンサイクル化し、デュアルインジェクタを採用。アトキンソンサイクル化ではポンピングロス低減、デュアルインジェクタでは燃料微粒化による燃焼安定化を同時に実現しているという。
そのほかにも空力特性向上のためにリアタイヤにもディフーザーを採用、発電の制御も緻密化しているという。この世界最高燃費はミラ イースのFF車で、価格は76万6286円から121万3715円。
はてさて、ガソリン車燃費ナンバーワンの次期目標値は35.5km/リッターと筆者はみるが、いったいどのメーカーのどの車種が達成するだろうか。意外にも来年デビューする2座オープンスポーツのS660だったりすると凄いと思う。(編集担当:吉田恒)