マツダ、新開発1.5リッター「クリーンディーゼル」発表。同社、アテンザ2.5リッターと同等の大トルクが自慢

2014年06月12日 12:44

Mazda_Diesel

新開発「SKYACTIV-D 1.5」。4気筒ディーゼルの排気量は1497cc。ボア×ストローク(内径×行程)は76.0×82.5mmのロングストロークタイプ。最高出力105ps(77kW)/4000rpm、最大トルク25.5kg.m(250Nm)/1500-2500rpmである。

 6月10日、マツダが正式に新開発の1.5リッターの小排気量クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」を今夏発売する新型「マツダ・デミオ」に搭載すると発表した。

 新世代技術「スカイアクティブテクノロジー」を採用した、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」は、既存の「マツダ CX-5」などに搭載されている「SKYACTIV-D 2.2」と同じくディーゼルとして異例の低圧縮比を採用し「理想の燃焼」を追求し開発したディーゼルエンジン。

 その結果、高価なNOx後処理装置非装着としながら高い環境性能を実現。同時に2.5リッター・ガソリンエンジン並みに太いトルクを発生し、高回転までリニアに加速する圧倒的な動力性能を実現したという。

 そこで、まず「SKYACTIV-D 1.5」のスペックをチェックする。排気量は1497cc、ボア×ストローク(内径×行程)76.0×82.5mmのロングストロークタイプ。最高出力は105ps(77kW)/4000rpm、最大トルク25.5kg.m(250Nm)/1500-2500rpmである。ちなみにロングストローク型は出力よりもトルク重視エンジンとなる。

 比較対照するためにトヨタ・ヴィッツ搭載の1.5リッターガソリンエンジンのスペックを紹介する。その最高出力は109ps(80kW)/6000rpm、最大トルク13.0kg.m(136Nm)/4800rpmだ。ちなみにヴィッツの最高燃費25.0km/リッター(JC08モード)を叩き出す1.3リッターガソリンは、最高出力99ps(73kW)/4000rpm、最大トルク12.3kg.m(121Nm)/4400rpmである。

 もうひとつの比較として同社アテンザ搭載の2.5リッターガソリンエンジンの諸元も記す。最高出力は188ps(136kW)/5700rpm、最大トルク25.5kg.m(250Nm)/3250rpmだ。トルク値に注目されたい。

 あたりまえだが、SKYACTIV-Dの低回転域における性能が際立つ。アテンザ2.5と同等の最大トルクを低回転域で発生させているのが最大の特徴で、幅広い回転域で最大トルクが持続する。組み合わせるトランスミッションにおけるギア選択にもよるが、最大トルク発生回転領域1500-2500rpmだけで時速20kmから100kmプラスの法定速度オーバー(おそらく140kmぐらいまで)までカバー出来るものと思われる。

 間もなく登場する新型デミオが従来どおり車重1000kg前後ならば、この大トルクエンジンSKYACTIV-Dを搭載した場合の動力性能は相当に期待できる。SKYACTIV-D搭載車には6速オートマティックのほか、6速マニュアルも搭載されるという。適切なギアを選び、エンジンの回転数2000rpmあたりをキープして箱根のワインディングを軽快に走り回る姿が容易に想像できる。

 「SKYACTIV-D 2.2」で実現した数々の革新的技術を踏襲し、燃焼の均質リーン化領域の拡大、小型化による冷却損失増大の抑制技術、機械抵抗低減などの燃費改善技術を追加採用し、コンパクトカーに最適なパワートレーンとして進化させた。

 加えて新開発「SKYACTIV-D 1.5」は新型デミオ搭載にあたり、アイドリングストップ技術「i-stop」、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」と高効率なトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」「SKYACTIV-MT」と組み合わせ高い運動性能と省燃費を実現するという。結果、ハイブリッド車、軽自動車を除く内燃機関搭載車として最高のモード燃費と大幅な実用燃費を達成すると発表した。つまり27.6km/リッターを記録するトヨタ・パッソXを凌駕するカタログ値となるようだ。(編集担当:吉田恒)