上半期の倒産件数、23年ぶりの低水準

2014年07月11日 12:17

 これも景気回復傾向の表れなのだろうか。今年の上半期に倒産した企業の数が、23年ぶりの低水準であったことがわかった。8日、東京商工リサーチが発表した2014年上半期(1月~6月)の企業倒産件数(負債額1000万円以上)によれば、倒産件数は前年同期比9.7%ダウンの5073件であった。上半期としてはこれで5年連続での倒産件数減少であり、また1991年に発表された倒産件数4723件以来、23年ぶりとなる低水準であった。

 負債総額は前年同期比41.3%ダウンの1兆541億600万円であり、上半期としてはこの20年で最小となる金額であった。また負債金額10億円以上の倒産件数も、この20年間で最も少ない146件であり、前年同期の187件よりも40件以上減少した。負債金額100億円以上の倒産件数も、前年同期の10件から5件と半分になった。負債金額1億円未満の倒産件数は3606件であり、前年同期の3925件よりもやはり減少。全体で見てみると、この負債総額1億円未満の小規模な倒産が7割を占めている。

 また地区別で見てみると、関東地区が前年同期比11.4%ダウンの1904件。近畿地区が前年同期比8.0%ダウンの1282件で、これで5年連続での減少となった。そのほか、中部地区は前年同期比12.2%ダウンの669件、北陸地区は前年同期比11.7%ダウンの143件。中部、北陸、それぞれ3年連続での減少となった。四国地区は前年同期比5.3%ダウンの107件、北海道地区は前年同期比17.9%ダウンの169件と、それぞれ2年連続での減少。中国地区は前年同期比8.3%ダウンの232件であり、4年ぶりの減少となった。東北地区も前年同期比7.7%ダウンの178件であり、2年ぶりの減少。しかし九州地区は2年ぶりに増え、前年同期比0.7%アップの389件という結果であった。

 そのほか、産業別に見てみると、調査を行った10産業はすべて前年同期を下回り、建設業は前年同期比19.6%ダウンの1035件と6年連続での減少となった。また不動産業は前年同期比5.4%ダウンの156件、サービス業他は前年同期比0.3%ダウンの1244件と、それぞれ5年連続での減少となった。

 しかし東京商工リサーチは、「人手不足による倒産が増えている」としており、今後の動向については慎重に見ていく必要があるとしている。(編集担当:滝川幸平)