全国大学生活協同組合連合会は、21大学生協の協力を得て、大学院生の生活実態の調査を行った。調査期間は2013年10月17日~11月8日。回答数は4114件。
「大学院進学を決めた時期」に関して、もっとも多かった回答は「大学3年」で33.6%であった。「大学入学前」と答えた人が21.7%で、04年の14.5%から、07年および10年に引き続き増加傾向にある。一方、「大学4年」と答えた人は、22.9%となっており、こちらは反対に、04年の29.6%から徐々に減少傾向にある。理系と文系とで分けると、「大学入学前」と答えた文系学生は12.1%、理系学生は25.2%であった。「大学4年」と答えた文系学生は、30.7%。理系学生は19.8%となった。
「大学院修了後に考えている就職先」に関しては、文系と理系とで差異が見られた。すなわち、「一般企業」は全体で、73.0%だが、内訳は文系が45.0%、理系が80.3%。「公務員」は全体で8.6%、うち文系が25.0%、理系が5.7%であった。また、「就職活動の進め方」に関しては、文系では自由応募:学校推薦の比率はほぼ80:1であったが、理系では、自由応募:学校推薦がほぼ2:1となっていた。これに関連して、院進学の動機として「就職に有利」との声を上げた人は、文系が9.0%、理系47.2%となっている。
学費の負担者をみると、「親」がもっとも多く70.4%を占めた。うち、自宅が66.1%、自宅外が74.1%。「本人」は、20.3%(自宅25.4%・自宅外15.9%)、「奨学金」は12.6%(自宅14.8%・自宅外10.8%)となっている。
学費の「本人負担」に関して文系と理系とで比較してみると、文系が29.1%に対して理系は15.5%。一方、「親負担」は文系が62.4%、理系が75.1%であった。また暮らし向きに関して、「楽」「大変楽」と答えた理系学生は42.1%。一方、文系学生は、30.9%となった
今回の結果から、大学院進学を決める時期は年々早まってきていることがわかった。特にその傾向は理系学生に顕著であった。理由として、理系学生の場合修士課程を卒業することで就職活動がより有利になる傾向があるため、より早い準備が必要になるのではないかと推測される。また、文系学生より理系学生のほうが、親が学費を負担する割合が高く、そのためか理系学生のほうが生活に余裕を感じやすいようである。
文系学生と比較して、理系学生の大学院進学はより一般的になってきている。それに伴って、親の負担も増大していくように思われる。(編集担当:堺不二子)