かねてから計画されていたロシア国内での日産車生産が本格的にスタートした。日産のDATSUNブランドによる乗用車生産が7月14日開始、その記念式典が開催された。
ここで生産するモデルは、ロシア市場専用にデザイン開発した新型ファミリーセダン、ダットサン「on-DO」だ。今後、有望視されるロシア市場向けに開発した4ドア5人乗りセダンである。
生産施設は、ルノー・日産アライアンスとパートナーシップを結んでいるアフトワズのトリアッティ工場で、14日に式典に合わせて第1号車の生産組立が行なわれた。
ダットサン「on-DO」は、これまでルノー日産アライアンスが15年間で培ってきた自動車生産技術なかでも最新といえる製造ラインで生産する。今回、ダットサン「on-DO」を生産するトリアッティ工場では、5000名以上の従業員がその行程に携わる。工場内で勤務する管理職は、アライアンス生産方式である「アライアンス・プロダクション・ウェイ」のトレーニングを受けた社員だ。また、日産自動車のスペシャリストが講師となるふたつの専用トレーニングゾーンでは、技能職員のダットサン組立基準の習熟訓練が行なわれる。
式典において、ダットサンのグローバル責任者でアフトワズ取締役会のメンバーであるヴァンサン・コベ氏は、「今日、私たちの計画が現実となりました。ここ、トリアッティのアフトワズ工場でダットサン“on-DO”の生産を開始したことは、数カ月間にわたる協業と努力の成果です。ロシア市場におけるダットサンプロジェクトが本番に入ったことを意味します。ダットサンは、ロシアの国民が初めて海外ブランドを購入する夢を現実のものとする最初の一歩。信頼性の高い商品と、オーナーシップ・エクスペリエンスを提供し、透明性のあるサービスを確実に遂行します。ダットサン“on-DO”は、モダンで高品質な日本車を求めるロシアのユーザーへ向けた新しい選択肢です。私はロシア市場でのダットサン“on-DO”の成功に自信を持っており、この日の実現に御尽力いただいた、パートナーであるアフトワズに感謝します」と述べたという。
一方のアフトワズの社長でCEOであるボー・アンダーソン氏は、「ダットサン車の生産開始はアフトワズにとって大きな成功です。アフトワズがより強く競争力のある企業となり、意欲的な目標を達成する準備ができたと確信します」と宣言した。
ダットサン「on-DO」は、ロシアの路面や天候状態に対応できるように開発しながら、グローバルな意味でモダンかつ、ゆとりある室内空間を備えた。加えて、国際的にも十分に安全かつ充実した装備も配したクルマだ。ダットサン「on-DO」は、厚木市の「日産デザインセンター」でデザイン開発を行ない、ロシア、日本、その他の国々から集結した豊富な経験を持つエンジニアの国際チームによって共同開発した。
ダットサン「on-Do」の価格は32万9000ルーブル(約98万円)からとなり、7月後半に25店舗のダットサンブランドディーラーで予約注文を開始する。納車は9月以降となる予定だ。(編集担当:吉田恒)