昨今の好景気感のあおりを受け、企業の採用意欲が高まりつつあるようだ。企業側の意識調査が株式会社ディスコによって行われた。調査時期は2014年5月20日~28日。回答数は1,097社。
2015年3月卒業予定者の採用数に関して、「増減なし」と答えた企業が最多で44.6%、次いで「増加」が30.0%、「減少」が8.5%、「採用予定なし」が7.0%となった。
卒業者の学歴別では、大学院修了者は、「増減なし」と答えた企業が最多で34.3%、次いで「増加」が16.3%、「減少」が8.8%、「採用予定なし」が30.7%となった。大卒文系者は、「増減なし」と答えた企業が最多で40.7%、次いで「増加」が27.3%、「減少」が9.1%、「採用予定なし」が17.1%となった。大卒理系者は、「増減なし」と答えた企業が最多で40.3%、次いで「増加」が28.7%、「減少」が10.8%、「採用予定なし」が14.2%となった。
変化なしが最多であるが、一方で増加させる企業も増えてきている。学歴別では、わずかながら大卒理系者の採用を増加させる意向の企業が多い。
業種別でみると、製造業では、「増減なし」が最多で38.1%、次いで「増加」が37.2%、「減少」が14.1%、「採用予定なし」が5.5%となった。金融では、「増加」が最多で56.3%、次いで「変化なし」が31.3%、「減少」が8.3%、「採用予定なし」が2.1%となった。流通・商社では、「増減なし」が最多で44.1%、次いで「増加」が36.8%、「減少」が10.3%、「採用予定なし」が5.9%となった。ITでは、「増加」が最多で43.5%、次いで「増減なし」が38.8%、「減少」が10.9%、「採用予定なし」が0.7%となった。サービス業では、「増減なし」が最多で42.6%、次いで「増加」が31.3%、「減少」が10.9%、「採用予定なし」が7.5%となった。あらゆる業種のうち、金融業とITが昨年に続き精力的に採用数を伸ばしている。いずれの業界も、「減少」よりも「増加」のほうが多くなっており、採用熱が高まってきていることが示唆されている。
一方、企業側への応募者数は、「減った」が42.8%、「変化なし」が31.4%、「増えた」が25.8%となった。企業規模別では、従業員数299人未満の企業では、「減った」が46.4.8%、「変化なし」が32.4%、「増えた」が21.2%。従業員数300から999人未満の企業では、「減った」が41.4%、「変化なし」が32.1%、「増えた」が26.6%。従業員数1000人以上の企業では、「減った」が40.2%、「変化なし」が29.1%、「増えた」が30.7%となっている。緩やかな差ながら、企業規模と志願者数が増加している構図が見て取れる。新卒者の大企業志向が高まってきているようである。
今回の結果から来年度の新卒採用は、1.採用数は全体に上昇傾向にある。2.わずかながら大卒理系者の採用数が伸びている。3.金融・ITは採用数増加に意欲的。4.学生はやや大企業偏重傾向にあることが予測された。(編集担当:堺不二子)