キリン、クラフトビールブランドの立ち上げ発表

2014年07月18日 10:41

 発泡酒や第3のビールなど、低価格で美味しいアルコール飲料が人気を博する一方で、より味わい深さを追求したビール、クラフトビールにも熱い視線が注がれている。日本におけるクラフトビールの定義は明確ではないものの、一般的には小規模なビール醸造所などで、職人が質にこだわって作られたビールとしてとらえられている。

 こうしたクラフトビールのブームが訪れているなか、16日、キリンビールは大量生産を行わない個性的なクラフトビールの専門子会社を、2015年1月に設立するとの発表を行った。10~20億円を投資し、小規模な醸造施設を東京都渋谷区に新設する。年間10種類以上の製品をインターネットなどで販売する以外にも、地ビールメーカーとの提携も視野に入れているという。キリンビールはこのクラフトビールにより、2020年に売上高約200億円を目指すとしている。

 キリンビールによると、今回発表されたクラフトビールは東京都渋谷区に新設される施設と、横浜市の横浜工場で製造され、渋谷区の施設内の外食店にて提供される。そのほか、インターネットでも販売を行う。深い味わいを楽しむことのできるクラフトビールは、年々日本で人気が上昇している。キリンビールとしては若者らを中心に需要を掘り起こし、20年までに約200億円規模の事業にまで成長させたい考えだ。

 キリンビールのクラフトビールは「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)」のブランド名で販売される。15年1月に事業子会社を設立し、渋谷区に新設される施設と横浜工場を合わせた投資総額は10~20億円程度の見通し。

 また正式な事業開始に先駆けて、9月より豊潤な味わいやホップ感を全面に押し出した「スプリングバレーブルワリー 496プロトタイプ」(330ミリリットル、6本入りで3000円)をインターネットで試験的に販売する。コンセプトや製法の異なる商品を開発していき、年で10種類以上の製品を販売していく。

 近年、クラフトビールはヨーロッパなどを中心に人気が拡大している。そのため世界の大手メーカーも開発に注力しており、北アメリカではビール市場のシェア約14%を占めるほどまでになっている。(編集担当:滝川幸平)