ライバルは欧州にあり、レクサス新型SUVはターボとハイブリッドをラインアップ

2014年07月29日 22:32

Lexus NX

2.5リッター4気筒エンジン(152ps/21.0kgm)と高トルク・フロントモーター(143ps/27.5kg.m)を内蔵したハイブリッドユニットを搭載し、システムパワー197psを実現した300h。クラストップレベルの低燃費、JC08モード走行燃費21.0km/リッターを実現している

 レクサスからLEXUS初のコンパクトクロスオーバーSUV「NX」が発売された。販売は7月29日にスタートしている。NXは昨年の東京モーターショーで展示され話題を呼んだ1台だ。

 NXは、「Premium Urban Sports Gear」をコンセプトに開発した。都会を軽々と、そして機敏に駆け抜けるスポーツカーのような走行性能に加えて、SUVの力強さを兼ね備えているという。

 エクステリアは、LEXUS独特のスピンドルグリルを起点に、人が乗るキャビンの前後を大胆に絞り込んだ菱形のボディと力強く張り出したホイールフレアが融合した、SUVらしく大径タイヤの存在を強調したアグレッシブな造形だ。

 インテリアは、「Premium Urban Sports Gear」を感じさせる構造美と素材感を、センタークラスターのフレームなど金属質感のダイナミックな骨格と革調素材の構成で構成した。

 LEXUS初の新開発ターボエンジンを搭載したNX200tとハイブリッドシステム搭載のNX300hをラインアップし、アクティブな走りと優れた環境性能を両立した点もNXの特徴。NXは、新世代LEXUSが培ってきたエモーショナルな走りを継承するべく、SUVらしい力強さと爽快なスポーツドライビングの両立を目指して開発したモデルだ。

 ボディ寸法は4630×1845×1545mm、ホイールベース2660mm。車重はHVのFF車で1760-1790kg。HV・4WD車が1820-1850kg(いずれもオプションを含まず)となっている。ターボ車ではFF車で1710-1740kg、4WD車で1770-1800kg(同前)。トヨタ製HVの常で、ハイブリッド化で概ね50kgの重量増加となる。

 LEXUS初の新開発8AR-FTS型直列4気筒2リッターターボエンジンは、ツインスクロールターボチャージャーと可変角を拡大した可変バルブタイミング、Dual VVT-iW(Dual Variable Valve Timing-intelligent Wide)を組み合わせ、最適な燃焼効率を実現するD-4ST(Direct-injection 4 stroke gasoline engine Superior version with Turbo)を採用した。最高出力は238ps(175kW)/4800-5600rpm、最大トルクは35.7kg.m(350Nm)/1650-4000rpmとし、1650rpmという低回転域から強大なトルクを発生し、滑らかで爽快な加速フィーリングを生み出している。

 ターボエンジンに組み合わせる6速オートマチックトランスミッションも新開発。マニュアル感覚のギアシフトを可能にするシーケンシャルシフトやパドルシフト、コーナリングでの変速制御を最適化するG AI-SHIFT制御を採用した。

 また、LEXUSスポーツの走りを継承するスポーティバージョン“F SPORT”は、NAVI・AI-AVSやパフォーマンスダンパーを標準装備し、乗り心地や操縦安定性を向上させる目的で、足回りに専用のチューニングを施している。

 300hに搭載するハイブリッドユニットは、レクサスGSやクラウンHVと共通の熱効率を追求した2.5リッターアトキンソンサイクルエンジン(152ps/21.0kgm)と高トルク・フロントモーター(143ps/27.5kg.m)を内蔵したハイブリッドトランスミッションを組み合わせたユニットだ。システムパワー197psを実現した、1800kgに限りなく近い300h(FF車)で、クラストップレベルの低燃費、JC08モード走行燃費21.0km/リッターを実現している。4WDには、さらにリアタイヤを駆動するモーター(68ps/14.2kg.m)が加わる。

 オプションで用意する全車速追従機能付レーダークルーズコントロールは、アイドリングストップとの連携機能をLEXUS車として初採用。レーダークルーズコントロール作動時に停車した場合、前車の発進を感知してエンジンが自動で再始動し、ドライバーによる発進操作をサポートするなど、利便性と環境性能を両立している。

 安全面でも、LEXUS初導入の左右確認サポート付パノラミックビューモニターや夜間にコーナーの先を広く照らすLEDコーナリングランプなどが、ドライバーの運転をサポートする。また、タッチパッドを用いた新型リモートタッチ、LEXUS初のワイヤレス充電「おくだけ充電」、および運転に必要な情報をウインドシールドガラスの視野内に投影するカラーヘッドアップディスプレイなどの利便性を高める機能を備えている。

 新型NXの価格は428万円~582万円(消費税込み)。月販台数は700台を予定。生産はトヨタ自動車九州・宮田工場が行なう。(編集担当:吉田恒)