ヤマハ発動機とトヨタ、エンジン開発における蜜月関係は強固。その協業の発端にはトヨタ2000GTがあった

2014年06月21日 14:29

2000GT

ヤマハ発動機とトヨタのエンジン開発・生産の協業関係は1964年の2000GTから始まり、50年におよぶ蜜月関係にあるといえる。写真後方はレクサスLFA。

 ヤマハ発動機は、6月16日に自動車用エンジン(四輪車用エンジン)の累計生産台数が300万台に達したと発表した。

 ヤマハ発動機の自動車エンジン開発・生産事業は、1964 年にスタートした「トヨタ2000GT(1967 年発売)」をトヨタと共同開発・生産に始まり、現在は、自動車メーカー向けのエンジン開発やエンジン生産受託を中心に展開している。これまでに、トヨタ自動車をはじめ、フォードやボルボへのエンジン供給を行なっている。

 自動車エンジンの累計生産台数は1989 年に100 万台、2005 年に200 万台を突破し、今6月に300 万台を達成した。

 ヤマハ発動機がトヨタと協働で開発したエンジンの多くは、スポーティモデルに向けて開発した高回転型で軽量なDOHCエンジンが多い。前述のトヨタ2000GTに搭載した3M-G型エンジンは、当時のクラウンに搭載していた2リッター直列6気筒にヤマハが開発したツインカムヘッド(DOHC)を載せたスポーツエンジンだ。
 
 また、初代セリカ1600GTや初代レビン&トレノ(TE-27型)に搭載した2T-G型1.6リッター直列4気筒DOHC(2バルブ)エンジンもヤマハ製だった。このツインカムエンジンは、排気量拡大版の18R-G型2リッターエンジンとともに、1972年から1983年まで生産された名機だ。その2T-Gは、AE86型レビン&トレノの登場によって搭載された4A-G型1.6リッター直列4気筒DOHC(4バルブ)エンジンの登場によって姿を消すことになる。ただし、その新開発4バルブ・ツインカムもヤマハとの協業による開発だと言われている。

 1980年代にトヨタが発表した2リッター直列6気筒の1G型など、スポーツツインカムと言われる本格的な4バルブのDOHCエンジンの開発にはヤマハが深く関わっており、1981年にデビューしたトヨタ・ソアラの5M-GEU型2.8リッター直列6気筒DOHCエンジン開発にも参加したようだ。

 現在でも、クラウンやマークXに搭載する4GR-FSE型2.5リッターV6エンジン(203ps/24.8kg.m)はヤマハ製だ。レクサス最高峰のスポーツカーLFAに搭載するV10エンジンもヤマハが関与している。(編集担当:吉田恒)