【今週の展望】8日のSQ値が15500円近辺で決まるとすると・・・

2014年08月03日 20:12

 今週の8日は「マイナーSQ」なので日経平均オプション取引の権利行使価格の125円刻みで言えば、15625円は5日移動平均線を超えて1日時点のボリンジャーバンドの25日線+2σ(第2標準偏差)の15646円に近く、前週がそうだったように終値まで維持できるかはどうか怪しいという水準だろう。一方、15375円は25日移動平均線よりやや上で、ザラ場中にここまで下げると押し目買いが入ってすぐリバウンドしそうな水準で、これも長続きするとは思えない。そうすると8日のSQ値が15500円近辺で決まるというのは、「ゴルディロックス」ではないが高すぎず低すぎず、ちょうどいい水準と言えそうだ。

 それを前提に、海外要因で「リスク回避の円買い」が発生せず、為替が現在の102円台の前々週比で円安の水準を維持できると仮定すると、今週のシナリオはこう想定できる。

 前週のNYダウは4日続落したが、雇用統計の悪化で早期利上げ懸念が遠のいたのでアメリカ株はスムーズに反発できるだろう。国内主要銘柄の好調な決算発表にも刺激されて、5日あたりまでは15700円近辺まで上昇する局面はあるとみる。しかし日銀会合やSQが意識され、6日の「荒れるSQ週の水曜日」あたりでは下向きの修正がかかると思われる。7日には「JPX日経400採用銘柄の定期入れ替え発表」というまた別の波乱要素もある。もし団塊の世代サラリーマンの「憧れのブランドであり企業」だったソニー<6758>があっけなく除外されたりしたら、負のインパクトは大きそうだ。

 とは言っても、大きく下落したとしても25日移動平均線の15364円近辺ではしっかり反発し、15500円近辺の元のサヤに収まって8日のマイナーSQの朝を迎えるというパターンになりそうだ。反発の原動力は旺盛な押し目買い意欲やETF買い入れの「日銀砲」だけではない。金融政策決定会合の直前やその最中には、「逆さまにしても何も出ない」が鉄板のコンセンサスなのに、なぜか金融株や不動産株が買われる謎めく投資行動「日銀プレイ」なるものもその姿をあらわすかもしれない。8日にその日銀会合の結果が出るのはSQ値が算出された後になる。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは15350~15700円とみる。前週末は2日連続で売買代金が2兆円を超えて商いが復活したが、夏休みをとったサラリーマンのような現役世代が、「売買手数料無料特典つきのNISAでお試し株式投資」で参加してきたとしたら良い傾向。数日程度の短いお付き合いと思われるので、東証1部の主力銘柄よりむしろ、銘柄に強い個性があり、ザラ場中に状況がネコの目のように変わり、ボラティリティの大きい新興市場で、おいしい思いをさせて、夏の良い思い出をつくってあげたい。(編集担当:寺尾淳)