財務省出身の民主党・大串博志衆院議員は子供の貧困率が20121年、16.3%と過去最悪になり、「近年、我が国での経済的格差は看過できない」と深刻な問題との認識を示したうえで、政府の重要な「富の再分配機能が昨今は十分機能していない」と提起。税制や社会保障制度を通した適正な富の再分配を図っていくよう求めている。
大串議員は「民主党政権時に相続税を上げ、贈与税を下げるという税制改革案を作った。高齢者に貯蓄が偏在している現状を踏まえ、より早くに若い世代への贈与が行われ、それが消費増となって経済活性化につながることを企図したものだった」とし「この税制改革案は自民党政権でも引き継がれたが、自民党の政策は強いものがより強くなれば経済全体がよくなるという、私の目からは一昔前の経済理論によっている」と問題視。「資産課税の強化、格差是正に基本的に消極的」とした。
大串議員は法人実効税率引き下げのための財源についても、中小企業に対する法人税の軽減税率をやめ、これを引き上げることが検討されているとの報道に「中小企業に対する軽減税率をやめるというのは儲かっている大企業と厳しい中で頑張っている中小企業との間の格差をさらに拡大する方向に働く」と財源を中小企業の法人税軽減税率に求めるのは「不適切」と指摘。財源は「役割を終えたような租税特別措置を不断に見直す」ことから捻出すべきと提言する。(編集担当:森高龍二)