新生銀行の「2014年サラリーマンのお小遣い調査」によると、サラリーマンの小遣いが2年ぶりに回復し、前年比1,115円増の月額39,527円となった。一方で上昇はしたもののリーマンショック前の水準(08年の45,825円)まではおよばず、調査開始以来4番目に低い金額となっている。また金額をけん引するのは40,50代で、20代の小遣い減少傾向は止まらず、前年比615円と世代別で唯一の減少となり、小遣いにも世代間格差がうかがえた。
新生銀行がまとめた20代から50代の男性サラリーマン約1,000人などを対象にした「2014年サラリーマンのお小遣い調査」によるもの。今年の調査から、女性会社員も20代から50代までに調査対象範囲を広げて、サラリーマン(男性会社員)との比較ができるようにした。
14年の調査では、2年ぶりに小遣い額が回復、昼食代、飲み代も2年連続で上昇したが、その実態としては、小遣い額はまだ過去4番目に低い水準のまま、昼食代はワンコイン+消費税8%の基準、飲み代もほぼ横ばいとなっている。
しかも、平均を引き上げているのは20代、30代の若年層ではなく、40代、50代が中心となっており、若年層の小遣い額や昼食代、飲み代などの金額は40代、50代と比較すると低迷しており、二極化が進んでいる。
サラリーマンの平均小遣い額は月額39,527円(前年比1,115円増加)で2年ぶりに上昇したが、リーマンショック前の水準(08年:45,825円)までにはおよばず。調査開始以来、4番目に低い金額となっている。
世代別では、07年以降20代の小遣い額の減少が止まらず、14年についても前年比615円減と唯一の減少となった。一方、40代と50代はリーマンショック後の11年を底に3年連続で増加し、14年は41,000円を超えた。12年に50代の小遣い額が20代を逆転して上回ってから、その世代格差が広がる傾向にある。また、今年から調査範囲を拡大した女性会社員の20代から50代の平均お小遣い額は、男性より2,860円低い36,712円だった。
男性会社員の昼食代は昨年より23円上がって541円となり、2年連続で上昇した。しかし、500円プラス消費税8%程度の水準で、ワンコインランチの傾向が続いている。また、女性会社員の平均は男性より29円低い512円となった。
男性会社員の1回の飲み代は、昨年から9円増えて3,483円となり、ほぼ横ばい。月の飲み回数は0.2回増えて2.4回。金額としては、1999年の調査開始以来、4番目に低い水準となっている。女性会社員の平均は男性会社員の飲み代から約1,000円低い2480円となった。
調査結果から新生銀行では「アベノミクスがサラリーマンのお小遣いに与える影響は限定的で、お小遣い面からみた日常生活のゆとり度は全体的に苦しいと感じる向きが強まっている。来年もお小遣い額は増えると予想しているが、20代、30代は消費税の負担感が強く、節約の傾向も強いことから、消費意欲は他の世代よりも低いと考えられ、お小遣い額については、今年と同様に40代、50代がけん引する状況が続くと思われる」と分析している。(編集担当:横井楓)