人材不足などから、転職成功者の年齢が上昇を続けている。株式会社インテリジェンスによると、 転職に成功した人の平均年齢は、直近の2014年上期で31.7歳。調査を開始した2007年下期(29.1歳)から、この7年で2.6歳上昇した。転職成功者の年齢は2008年頃から上昇を続けており、特にここ2年は上昇幅が大きい。
景況感の回復で、企業が「攻め」の事業展開を進めていることや、グローバル化への対応、新規事業展開などの課題が高度化していることから、それに見合った人材を求める企業が増えている。豊富なキャリア・実績を持つミドル層へのニーズは高まっているが、採用が追いつかないケースも多い。
調査はインテリジェンスが、2007年7月~2014年6月の7年間に「DODA転職支援サービス」を利用して転職したビジネスパーソン約7万人の年齢、職種などを分析。「職種」別に転職成功者の平均年齢をみると、前回調査の2013年下期からアップしたのは「専門職系」(3.2歳)、「企画・管理系」(1.4歳)、「技術系(建築/土木)」(1.3歳)、「技術系(IT/通信)」(1.2歳)となった。
「専門職系」の平均年齢は33.8歳。メガバンクの中途採用が再開した金融業界や、企業が投資を強化しているIT業界のコンサルタントなどで人材ニーズが高まった。また、東京五輪に向けて活況な不動産業界、好景気の影響を受けたサービス・小売・外食業界の店舗開発など、各業界で40歳以上の転職が増えているようだ。
35歳以上のミドル層は、転職回数が「4回目以上」の人の割合が最も多くなっている。年齢や転職回数の多さが一概に「不利」となるわけではなく、豊富な経験や実績が評価されるケースが目立つ。インテリジェンスによれば、求人企業は「事業課題を解決できる人材かどうか」を最優先に採用の可否を決めているという。即戦力を求める企業と、よりよい待遇を求めるミドル層。両者の思惑が一致し、転職年齢が上昇しているといえそうだ。(編集担当:北条かや)