35歳以上の場合、転職回数と転職成功率は関係がない?

2014年07月20日 15:15

 株式会社インテリジェンスは、同社サービスを利用するビジネスパーソン65,000人に対して転職に関する調査を行った。調査期間は2007年4月から2014年3月。有効回答数は65,000件。

 転職が成功した人に転職回数を尋ねたところ、2007年から2014年までのいずれの年も「初めて」と答えた人が最も多く、50%~60%を占めた。次いで多いのが、「2回目」で約25%~30%。さらに「3回目」が15%以下、「4回目以上」となると10%以下となった。この結果からは、転職回数が増すほど転職成功率は下がることが示唆された。しかし、年齢別で比較すると世代ごとに大きな特徴があることがわかる。

 「29歳以下」の人の場合、「1回目」で成功したという人が最も多く約70%以上、次いで「2回目」が約20~25%となっている。それ以降はぐっと低くなり、「3回目」で約5%以下、「4回目以上」になると0%に近い状態となった。29歳以下の人はそもそもキャリア年数が少ないため、転職回数が多いほど「長続きしない」「すぐにやめる」といったマイナスイメージをもって評価されやすい可能性がある。

 「30歳から34歳」の人の場合、「初めて」で成功したという人は40%前後。「2回目」が30%から40%。「3回目」は20%以下、「4回目以上」は10%以下となっている。29歳以下の人と比べると転職成功率自体が20%程度低くなっている。また「初めて」と「2回目」の差は縮まっているが、依然として「3回目」と「4回目」以上の成功率は低いままである。

 ところが「35歳以上」になると、転職回数による成功率にほとんど差がなくなるうえ、「初めて」で成功したという人は30%以下、「2回目」は35%以下と逆転する。また、「3回目」は25%以下となっておりその差はわずか。驚きは「4回目以上」という人。約15%から30%となっているうえ、2010年度からは上昇の一途を続け、2013年度は、完全に逆転して一位となっている。

 今回の調査から、転職回数が転職成功に与える影響は、年齢によって大きく異なることがわかった。若いうちの転職は、一定の年数勤続したという実績が評価されるものの、年齢を重ねるごとに、転職回数は重視されなくなり、代わりに「実力」や「即戦力」などが評価されるのかもしれない。(編集担当:堺不二子)