米アマゾン、カード決済代行サービスを開始

2014年08月16日 18:57

 電子書籍の販売を巡り、アメリカの著名な作家ら900人からニューショーク・タイムズ紙上の全面広告にて批判を受けた米大手ネット通販の米アマゾン・ドット・コムだが、しかしそうした逆風をものともせず、13日にアメリカでカード決済代行サービスに参入するとの発表を行った。

 米アマゾン・ドット・コムは13日、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末を使ったクレジットカードなどの決済を代行するサービスをアメリカで開始するとし、カードリーダー式モバイル決済システム「アマゾン・ローカル・レジスター」を発表した。米アマゾン・ドット・コムとしては、低価格の手数料を強みに、先行する米ペイパルや米スクエアなどに対抗したい考えだ。

 米アマゾン・ドット・コムが提供を開始するサービスでは、スマートフォンやタブレット端末でのクレジットカード及びデビットカードの決済が可能となる。アプリをダウンロードし、専用のカード読み取り機「アマゾン・ローカル・レジスター」をスマートフォンやタブレット端末に接続することで、サービスを利用することができる。先行する米ペイパルや米スクエアについても、同様のシステムを採用している。

 このサービスにより、カード会社と直接契約することができないような小規模な店舗であっても、米アマゾン・ドット・コムが仲介することでカード決済を行うことができるようになる。また利用者は、ネット上の店舗にカード情報を知らせる必要がなくなる。

 「アマゾン・ローカル・レジスター」は端末のイヤフォンジャックに差し込む形となり、OS(基本ソフト)はAndroid、iOS、Fire OSなどに対応しているとのこと。また「アマゾン・ローカル・レジスター」はVisa、MasterCard、American Express、Discoverなどのクレジットカードやデビットカードに対応するという。

 米アマゾン・ドット・コムだけでなく、日本においてもアマゾン・ジャパンが、学生を対象に10%のポイントを付与するサービスが再販制度に違反するのではないかとの批判を受けているが、こうした状況にあっても「アマゾン」の躍進はとどまるどころか、さらに加速をみせようとしている。(編集担当:滝川幸平)