大学・研究機関の特許資産規模トップ3は産総研、JST、東北大

2014年08月21日 08:07

 大学・研究機関の特許資産規模トップ3は産総研、JST、東北大だった。株式会社パテント・リザルトは18日、「大学・研究機関 特許資産の規模ランキング2014」を集計、その結果を発表した。

 2014年3月末時点において公開されている権利継続中の登録特許を対象として、個別特許の注目度を指数化する「パテントスコア」を用い、各大学・研究機関が保有する特許資産を、質と量の両面から総合的に評価した。集計の結果、産業技術総合研究所、科学技術振興機構、東北大学、東京大学、物質・材料研究機構の上位5機関が前年度と同じだった。

 1位の産業技術総合研究所は特許資産規模は117345、登録件数は9685。触媒や有機低分子化合物、遺伝子などの分野に強みが見られる。単独出願において注目度の高い特許には、「耐水性、耐久性に優れ、長期間にわたり良好な外観を保持できる塗料組成物」に関する技術や、「ディスプレイやID等への応用が期待できる酸化ケイ素薄膜」「X線顕微鏡用試料収容セル」に関する技術などが挙げられる。

 2位の科学技術振興機構は特許資産規模は49629、登録件数は2749。単独出願において注目度の高い特許には、「ジェットエンジン,ガスタービンなどの部材として活用が見込まれる高耐熱性、高強度のIr基合金」や、「水、油、および化学的に不活性な液体中での、微小なエマルションを製造する方法」に関する技術などがある。

 大学のトップである東北大学は特許資産規模は29179、登録件数は1105。太陽電池や半導体、ディスプレイなどの製造過程での活用が見込まれるプラズマ処理装置関連技術の注目度が、近年大きく上昇している。この分野においては東京エレクトロンやトーヨーエイテックなどと共同出願を行っている。東北大学の単独出願において注目度の高い特許には、「機械的性能や電気伝導性、電磁波吸収性に優れた新規な高機能複合材料」に関する技術などが挙げられる。

 前年より大きく順位を上げた8位の大阪大学は特許資産規模は19234、登録件数は694.発光ダイオード、半導体レーザなどに活用が見込まれるGaN結晶など、電子部品の材料関連技術や、遺伝子関連技術に強みがある。大阪大学の単独出願において注目度の高い特許には、「空気中の有害物質や臭い、汚れを分解する光触媒において、長期間にわたり機能を発揮することができる技術」などが挙げられる。

 そのほか、上位15位機関の中では、フランス原子力・ 代替エネルギー庁、理化学研究所、名古屋大学、京都大学などが前年度に比べて順位を上げた。(編集担当:慶尾六郎)