【日経平均】前場の突然の円高ドル安で急落して92円安

2014年08月26日 20:14

 近鉄百貨店<8244>は「あべのハルカス近鉄本店」の売上高見通しを引き下げ、中間期と通期の業績見通しを下方修正して18円安で値下がり率7位。人気のUSJに近くても日本一の超高層ビルでも効果は薄かった。マルエツ<8178>は2月期通期の業績見通しを上方修正し営業利益は5割増の40億円前後。中間期末の権利付き最終売買日でもあり16円高で年初来高値を更新した。高価格の生鮮品が売れているという。

 ニトリHD<9843>はUBSが目標株価を引き上げたが100円安。しまむら<8227>はUBSが目標株価を引き下げ280円安。良品計画<7453>は620円安で値下がり率5位、ファミリーマート<8028>は160円安で同15位。ドラッグストアのアインファーマシーズ<9627>は5~7月期決算を発表し販売コスト高で営業利益は28%減、経常利益は34%減ながら通期見通しは据え置き。同時に1株を2株にする株式分割の実施を発表したものの薬石効なく20円安だった。物流のSBSHD<2384>はM&Aに100億円以上を投資する中期経営計画を発表して13円高で年初来高値を更新していた。

 シンガポール政府投資公社が東京駅八重洲南口の大型ビル「パシフィックセンチュリープレイス(PCP)丸の内」を買収する方向で最終調整に入ったと報じられた。丸の内側で開発を進める三菱地所<8802>は19円安、日本橋側で開発を進める三井不動産<8801>は53.5円安。住友不動産<8830>は41.5円安。「ピタットハウス」のスターツC<8850>は公募増資などで上限44.2億円を調達し発行済株式数が5.2%増になる希薄化を嫌気され77円安。不動産セクターは業種別騰落率33業種中29位とふるわなかった。

 ゲーム・コンテンツ関連はDeNA<2432>が47円高、秋にリリースされる子ども向けスマホゲーム「千年の巨神」の事前登録者が4万人を突破したenish<3667>は28円高。ミクシィ<2121>は170円高。しかしKlab<3656>は売買代金8位ながら111円安で値下がり率3位だった。東宝<9602>は7円高で年初来高値を更新。前週派手に上昇した日本エンタープライズ<4829>についに「年貢の納め時」到来。序盤はストップ高で寄り付いたが97円安で値下がり率1位。ザラ場中にストップ高とストップ安を両方記録する離れ業の珍記録は惜しくもあと18円下げ足りなかったが、それでも売買高10位、売買代金7位と商いは派手だった。日本MDM<7600>も18円安で値下がり率8位と連れ安。持つべきものはいい友だち。

 前日華々しかった新興市場は日経ジャスダック平均が0.05%下落、東証マザーズ指数が1.02%下落とひと休み。経済産業省がロボット開発の支援強化のために60億円を予算要求するというニュースがあったがサイバーダイン<7779>は70円安だった。

 この日の主役は業種別騰落率トップの建設セクター。前場にゼネコン大手の株価を刺激したのが野村証券の投資判断引き上げで、目標株価を引き上げた大成建設<1801>は11円高、大林組<1802>は10円高、清水建設<1803>は24円高。レーティングも一緒に引き上げた鹿島<1812>は売買高14位、売買代金16位に入り21円高で年初来高値を更新した。

 お昼のNHKニュースで、JR東海<9022>が午後に国土交通大臣にリニア中央新幹線建設を申請すると報じられた。JR東海は105円安だったが、鉄建<1815>は上昇して売買高1位、売買代金2位に入り20円高。その他の中堅建設株も値上がり率3位に71円高の大和小田急建設<1834>、同5位に73円高の福田組<1899>、同8位にJPX日経400に新規採用される45円高の安藤ハザマ<1719>が入り、以上4銘柄は年初来高値を更新。熊谷組<1861>は売買高3位、売買代金4位に入り17円高で年初来高値を更新して値上がり率12位。三井住友建設<1821>は売買高7位に入り2円高だった。

 建設資機材関連は日本コンベヤ<6375>が16円高で値上がり率4位、アスファルトのニチレキ<5011>は52円高で同10位、太平洋セメント<5233>は12円高で売買高15位と買われ年初来高値を更新した。この日、ストップ高の400円高で年初来高値を更新し値上がり率1位の福井コンピュータ<9790>も、主力製品は建築や土木の設計に欠かせないCADなので無関係ではない。(編集担当:寺尾淳)