19日のNYダウは80ドル高で続伸。NASDAQは19ポイント上昇で5営業日続伸。ガザでは和平交渉の最中に双方ロケット弾を撃ちあい休戦崩壊。イラクでは水力発電用ダムの争奪戦。義なる者の上にも不義なる者の上にも血の雨が降る。それでも26日のウクライナとロシアの首脳会談に期待して欧米の株価は上昇した。CPIは+0.1%でインフレの心配なし。住宅着工件数は前月比15.7%増で昨年11月以来の高水準。「アメリカ経済の急所」と思われた住宅需要の予想外の健闘でDRホートン、パルトG、KBホームは続伸しレナーは3.3%上昇。5~7月期業績が市場予測を上回り通期見通しを上方修正したホーム・デポは5.6%上昇した。アップルはモルガンスタンレーの買い推奨で1.38%上昇し株価100ドル超え。20日朝方の為替レートはドル円が103円近辺、ユーロ円が137円台近辺で、ドル円の円安が進行した。
CME先物清算値は15500円。取引時間前に7月の貿易統計が発表され、9640億円の貿易赤字は25ヵ月連続の赤字。市場予測7000億円も6月の8200億円も超える赤字幅だったが為替レートは特に反応しなかった。日経平均は36.14円高の15485.93円で始まり、TOPIXもプラス。午前9時12分に15492円まで上昇するが15500円には届かない。9時台は15480円をはさんでの小動きが続くが、10時を回るとどんどん安値を取って10時28分に15451円まで下げる。しかしマイナスはギリギリで回避し持ち直す。TOPIXもプラス維持。上海、香港市場が下落で始まっても小幅プラス水準を維持したが、11時10分すぎにストンと下落してマイナスになり11時14分に15433円の安値をつける。ファナック<6954>がほぼ同じパターンで動いた。前引けは小幅マイナスの15441円だった。
後場はプラスで再開。昼休み中に為替のドル円が103円台に乗せたこともあり15490円近辺まで棒上げする。しかしその後は、小動きしながら徐々に下がる「フラッグ型チャート」で1時30分頃に15450円台で下げ止まる「いってこい」。TOPIXはマイナスまで下げたが日経平均はプラスを維持。6月の全産業活動指数は-0.4%で5月から1.0ポイントも低下したが市場予測と同じだった。2時台はマイナスになりかけるかと思えば15480円近くまで上昇するなど「シエスタ」とはいかない動き。大引け前にまとまった売りが入って大きく下落し、TOPIXはマイナスになったが日経平均のプラスは死守した。終値は4.66円高の15454.45円でスレスレの8日続伸で15500円はまだ届かず。日中値幅は59円で5日連続100円未満。TOPIXは-0.65の1279.64で8日ぶりに反落し、JPX日経400も下落した。売買高は18億株、売買代金は1兆5636億円で、売買は徐々に増えている。
値上がり銘柄は770、値下がり銘柄は861で値下がりのほうが多く、業種別騰落率もプラス業種数10をマイナス業種数23が上回った。上昇セクター上位は情報・通信、海運、サービス、ゴム製品、鉱業、化学工業など。下落セクター下位はその他金融、保険、電気・ガス、建設、非鉄金属、証券などだった。
日経平均採用225種は値上がり70銘柄、値下がり134銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+11円、2位は日東電工<6988>で+6円。マイナス寄与度1位はロシュの完全子会社化の話は立ち消えなのか中外製薬<4519>で-2円、2位はファーストリテイリング<9983>で-1円だった。
シティバンクが国内33拠点の個人向け業務の売却について邦銀9行に打診と報じられた。6月末時点の預金総額は3.8兆円で地銀中位行並み。外銀は数字を見て「日本の富裕層市場は有望」とみて参入しても、規制が多いためか良い成果をあげられないでいる。一時期「ベクテルが来る、来る」とメディアが騒ぎまくった建設業界も、こんなに足元の需要が旺盛でも外資の影も形もない。シティの業務の有力売却先のメガバンクは、みずほ<8411>は0.1円安、三菱UFJ<8306>は0.9円安、三井住友FG<8316>は16円高だった。新生銀行<8303>が売買高12位で4円高。野村HD<8604>は2.3円安だった。
為替のドル円はザラ場中に103円台に乗せたがトヨタ<7203>は34円安。しかしホンダ<7267>は17円高、マツダ<7261>は42円高、富士重工<7270>は28.5円高と後場上昇した。前週からランキングに入りしていた自動車部品メーカーの今仙電機<7266>は97円高で年初来高値を更新し値上がり率8位。ソニー<6758>は売買代金8位と買われ23.5円高で8日続伸。日立<6501>は5.5円安。東芝<6502>は1.3円安。NEC<6701>は8円安だった。
富士通ゼネラル<6755>は40円高で上場来高値を更新。前日材料のあったSMK<6798>は26円高で8日続伸し値上がり率17位。日東電工は7月の売上高が11%増で前月比3%増と好調でJPモルガンがレーティングを引き上げ157.5円の大幅高で年初来高値を更新した。KDDI<9433>は今期の海外事業の営業利益が最高益を更新する見通しで38円高だった。
中国が独占禁止法違反で日本精工<6471>に29億円、NTN<6472>に19億円の制裁金を科した。不二越<6474>もベアリングのカルテル参加を認定されたが調査に全面協力して免除。恣意的な法解釈がまかり通る中国は欧米や日本と「法の支配」の価値観を共有しているとはとても言えないが、「司法取引」まがいの先進国の制度はきちんとマネしてくれる。日本精工は7円高、NTNと不二越は値動きなし。それも含め国家発展改革委員会は日本の自動車部品メーカー12社に総額約200億円の制裁金を科すと発表した。
3Dプリンター関連銘柄のローランドDG<6789>は、発行済株式数の19.18%にあたる341万株の自社株消却を発表し95円高。親会社の電子楽器のローランド<7944>は7月にMBOが成立して10月に上場が廃止される見込みだが、ローランドDGは上場を維持するとアナウンスしている。