【日経平均】前場の突然の円高ドル安で急落して92円安

2014年08月26日 20:14

 週明け25日のNYダウは75ドル高と反発。NASDAQは18ポイント上昇。ジャクソンホールでユーロ圏の失業率を改善するために金融緩和を実施するとほのめかしたドラギECB総裁の発言を受けてヨーロッパの株価が上昇したのが支援材料になった。シカゴ連銀全米活動指数は+0.39で4カ月連続で改善したが、新築住宅販売件数は6月から2.4%減り市場予測を下回った。今週の「マージャー・マンデー」はバーガーキングがカナダのティム・ホートンズとの合併交渉を発表。バーガーキングは19.5%上昇、ティム・ホートンズは19.2%上昇。ロシュが買収したインターミューンは35.4%上昇、ロシュは0.6%上昇。ECBの金融緩和観測で金融株が堅調だった。26日朝方の為替レートはドル円が104円近辺、ユーロ円が137円台前半で、ドル円が104円台になかなか定着しない。

 CME先物清算値は15595円。取引時間前に7月の企業向けサービス価格指数が発表され、前月比でほぼ横ばいの102.7だが前年同月比+3.7%で12ヵ月連続プラスだった。日経平均は3.61円安の15609.64円で始まる。TOPIXはわずかにプラス。午前9時40分頃までは日経平均小幅安、TOPIX小幅高で推移したが、そこから10時16分までどちらも放物線の軌跡を描いて下落。日経平均は15523円、TOPIXは1285まで下げる。その間にドル円は104円台から滑り落ちて103円80銭付近まで円高が進んだ。上海、香港などアジア市場は序盤堅調で日経平均も10時台後半以降はおおむね15540~15560円のレンジで小動きし、前引けは15550円だった。

 昼休みに円高がさらに進行し後場は15532円と前引けよりも安く再開するが、安値を更新することなく15520~15540円のレンジで再び小動き。午後1時台から2時30分頃までほとんどの時間は15530円台のごく小さい動きで「シエスタ」状態だったが、2時37分に15519円の安値を取る。終盤は15520円台で小動きし終値は92.03円安の15521.22円と反落した。日中値幅は94円。TOPIXは-6.30の1285.01。売買高は18億株、売買代金は1兆5319億円。9月1日はアメリカがレイバー・デーの休日で3連休になるので、それを前に今週の売買は先細りになりそうだ。

 値上がり銘柄は577、値下がり銘柄は1102で全体の60%を占めた。上昇は5業種、下落は28業種。プラスのセクターは建設、ガラス・土石、医薬品、鉱業、パルプ・紙。マイナスのセクターで下落幅が小さいのは水産・農林、卸売など。下落幅が大きいのは陸運、小売、その他金融、情報・通信、不動産、鉄鋼などだった。

 日経平均採用225種は値上がり48銘柄、値下がり168銘柄。プラス寄与度1位はコムシスHD<1721>で+2円、2位はアステラス製薬<4503>で+1円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-16円、2位はこの日が権利付き最終売買日だが355円安だったファーストリテイリング<9983>で-13円。ユニクロ割引の株主優待はなく、1%を切る配当利回りがわずかに高くなっただけ。3位はKDDI<9433>、4位はファナック<6954>で、「四天王」が勢揃いして日経平均を合計42円押し下げていた。

 メガバンク3行は全て下落。証券セクターはクレディスイスが4銘柄のレーティングを引き上げた。その大和証券G<8601>は7.6円安、マネックスG<8698>は1円安だったが、野村HD<8604>は0.1円高、カブドットコム証券<8703>は6円高。松井証券<8628>は2円高だった。トヨタ<7203>は5円高、ホンダ<7267>は32円安、日産<7201>は0.5円高、マツダ<7261>は18円安と自動車大手は高安まちまちだった。

 パナソニック<6752>は人体に装着して重量物の運搬作業を補助するロボットを2015年度をメドに発売すると報じられ1.5円高。価格は50万円程度、重量は7キロ程度で、女性や高齢者の物流作業や農作業の負担を軽減し人手不足解消にも一役買うという。ソニー<6758>は16円安、日立<6501>は5.2円安。JVCケンウッド<6632>は売買高6位ながら23円安で値下がり率2位、パイオニア<6773>は3円安だったが、クラリオン<6796>はみずほ証券が目標株価を引き上げ売買高12位で7円高だった。

 キーエンス<6861>は2015年春までに海外営業職400名を中途採用すると報じられたが555円安。国内で募集し海外営業経験、語学力重視。海外部門を縮小する企業は草刈り場と化すか? 内田洋行<8057>は7月期通期の営業利益見通しを20億円から26億円に上方修正。一時ストップ高の54円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。消費増税の反動減の影響は限定的だという。

 三菱重工業<7011>は約100億円を投資して実証施設を建設し、ガスタービン火力発電で世界最高の熱効率のシステムを2020年を目標に開発と報じられたが5.4円安。海外で火力発電プラントの受注獲得を目指す。OBARA-G<6877>は期末配当予想を20円から50円に上方修正し、年間配当予想70円で前期比20円の増配でも120円安だった。

 大阪ガス<9532>は液化石油ガス(LPG)から燃料電池車用の水素を製造する装置を年内にも開発、販売すると報じられ1.5円高。水素関連銘柄に仲間入り。前日にエボラ出血熱にからんだ話題で上昇した富士フイルム<4901>は前場に年初来高値を更新し売買代金12位になったが15円安。キッコーマン<2801>は「デルモンテ」ブランドで9月から生鮮野菜の生産・販売に参入して26円安。第1弾は「デルモンテぜいたくトマト」で、1個120~180円は確かにぜいたく。