【日経平均】一服ムードの47円安で平成初の10連騰ならず

2014年08月22日 20:15

 21日のNYダウは60ドル高で4日続伸し約1ヵ月ぶりの17000ドル台回復。NASDAQ総合指数は5ポイント上昇。中古住宅販売件数、CB景気先行指標総合指数、新規失業保険申請件数が市場予測を上回る改善をみせて序盤は上がる。利上げ懸念の魔女に「いいは悪い、悪いはいい」とたぶらかされず素直に好感。その後は「ジャクソンホール待ち」で上値を追わず、そのまま水準を維持して終了した。5~7月期決算が市場予測を下回ったシアーズは7.2%下落したが、5~7月期にパソコンが12%増と売れ予想外の増収だったHPは5.4%上昇した。21日朝方の為替レートはドル円が103円台後半、ユーロ円が137円台後半で、ユーロが高くなっていた。

 CME先物清算値は15650円。日経平均は31.85円高の15618.05円で始まる。序盤は午前9時8分に15628円まで上昇しても9時15分時点で値幅が15円程度しかなかったが、9時20分頃から急落して15600円を割り込み、9時24分に15590円で底を打つ。しかしTOPIXとともにギリギリでプラスを維持して10時にかけて値を戻し15600円台を回復。前場はずっと15600~15620円の値幅で動く。上海、香港市場は序盤から上昇。しかし11時20分すぎから再び急落し、11時27分には一時マイナスになって15584円まで下げるが、前引けはプラスに戻り15598円。しかし値下がり銘柄のほうが多くTOPIXはマイナスで、地合いは良くなかった。

 後場は前引け水準で再開するが、アッという間にTOPIXと連れだってマイナスに落ちる。午後1時台は少し持ち直すが1時40分頃からさらに下落し、1時42分に15524円まで下げた。前回の日経平均の10連騰は26年前の1988年(昭和63年)2月までさかのぼり、「平成初の10連騰」危うし。夜にイエレン議長の講演を控えた「ジャクソンホール待ち」の様子見に加え、9連騰もすれば「このへんでそろそろ」という心理も強まり、ましてや利益確定売りの金曜日。ドル円が少し円高に振れたらあっさり売られてしまう。それでも25日移動平均線の15354円でまだまだ下で、15500円は割り込まない。2時台はおおむね15550~15570円のレンジで小動きする。30~40円安程度だが「ここで一服」ムードに支配され、何が何でもプラスに浮上して連騰記録を更新しようという気配には乏しい。終盤は少し振れ幅が大きくなるが、終値は47.01円安の15539.19円で10営業日ぶりに反落して4勝1敗、前週末15日終値から220.85円上昇して今週の取引を終えた。日中値幅は104円で、100円未満は6営業日連続でストップした。TOPIXは-5.12の1286.07と反落。売買高は17億株、売買代金は1兆6737億円だった。

 東証1部の値上がり銘柄は493、値下がり銘柄は1181で全体の64%を占めた。33業種別騰落率は8業種上昇、25業種下落。プラスセクターの上位はゴム製品、水産・農林、保険、サービス、倉庫、食料品など。マイナスセクターの下位は建設、鉄鋼、鉱業、精密機器、ガラス・土石、金属製品などだった。

 日経平均採用225種は値上がり59銘柄、値下がり152銘柄。プラス寄与度1位はダイキン工業<6367>で+3円、2位は東京エレクトロン<8035>で+2円。マイナス寄与度1位は前日、投資判断引き上げで上昇しながらこの日はあっさり下落した中外製薬<4519>で-4円、2位はファナック<6954>で-3円だった。

 新生銀<8303>はシティの国内個人向け銀行業務の買収に乗り出すと明らかにして売買高10位で2円高。富裕層顧客を引き継ぎ個人向け業務を一気に拡大する皮算用。メガバンクも買収を検討中というが、みずほ<8411>は0.4円安、三菱UFJ<8306>は0.2円高、三井住友FG<8316>は15円安。東京都が地方税が原資の4兆円の資金を株式投資に振り向けることを検討。金融庁は新設の「子どもNISA」の非課税枠を年80万円にするよう2015年度税制改正で要望すると報じられた。しかし野村HD<8604>は1.4円高、大和証券G<8601>は2.1円安、松井証券<8628>は1円高と反応薄で、前日大幅上昇した証券セクターも「一回休み」。

 トヨタ<7203>はずっと軟調でプラスに浮上できず47円安。ホンダ<7267>は7.5円安、富士重工<7270>は36.5円安、マツダ<7261>は11円安と自動車大手は軒並み安だった。ブリヂストン<5108>はドイツ証券がレーティングを引き上げ51.5円高で売買代金13位に入り、ゴム製品セクターは業種別騰落率トップだった。11日から日経平均にずっとお付き合いして9連騰したソニー<6758>は2.5円高で単独で10連騰を達成。しかし東芝<6502>は2.9円安、パナソニック<6752>は17円安、日立<6501>は3.7円安とふるわなかった。

 大真空<6962>は世界最小クラスの温度センサー内蔵水晶振動子を開発し19円高で値上がり率14位。スマホでの利用が見込まれる。オリンパス<7733>は今期に有利子負債を1000億円削減する見通しが出たが40円安。人工関節の日本MDM<7600>は前日、理由もなく大幅上昇したが、この日は理由もなく24円安の大幅下落で値下がり率2位だった。