DOWAホールディングスの子会社のDOWAメタルマインが、7月13日付でタイに亜鉛加工品の製造・販売を行う現地法人DOWA Metals&Mining(Thailand)Co.,Ltd.を設立したと発表。資本金は約13億円、2013年12月からの操業開始に向けて加工工場の建設を進め、タイを中心とした東南アジア市場へ本格進出するという。
亜鉛を原料とする亜鉛合金・調合亜鉛などの亜鉛加工品は、自動車用のめっき鋼板や部品、建材等に使用されるもの。特に、タイは東南部を中心に自動車産業の集積が進んでおり、日系の自動車メーカーおよび自動車関連メーカーも多数進出しているため、東南アジア地域における需要の拡大が見込まれている。その為、DOWAメタルマインは、日本に次ぐ亜鉛事業の第2の拠点としてタイ東南部のチョンブリ県アマタシティ工業団地に亜鉛加工工場を建設。高品質な亜鉛加工品の現地生産を行い、日系顧客の海外進出や現地調達ニーズに対応していくという。さらに、タイの東南アジア経済のハブとしての機能を生かして、経済成長が著しいベトナムやインドネシアなどへ販路を拡大するなど、新会社を拠点として東南アジアにおける亜鉛事業を拡大していく。
4月にはシンガポールで貴金属リサイクル事業を拡大するなど、急速にアジアへの投資を進めているDOWAホールディングス。2012年度売上高を2011年度実績比で376億円増とする見込みに、このアジアでの展開がどれだけ寄与するのか。グループ会社の廃液処理問題に揺れる同社だけに、その信頼を回復するに足る動向を見せてくれることを期待したい。