東京オリンピック開催決定は日本に様々な影響を及ぼしている。その中でも、最も影響を受けているのは旅行業界と言っていいだろう。政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に「訪日外国人2000万人を目指す」としており、日本の観光ビジネスは新たな局面を迎えているといえる。
エイチ・アイ・エス(H.I.S.)<9603>とANAセールス株式会社(ASX)は1日、海外からの訪日旅行の活性化に向けた提携を行うことに合意し、基本合意書を締結したと発表した。両社は、今後アジアを中心に市場拡大が期待される、訪日旅行需要の創出を目的とした協業を検討してきたが、今回新たに合弁会社を設立し、来春より営業を開始するという。
前述したような背景の中、ANAは国内線最大のネットワークを活かし、また拡大する国際線ネットワークからの接続需要を取り込むために、訪日外国人向けの国内線運賃の設定や日本の魅力を伝える情報発信を積極的に行っている。また、H.I.S.は、旅行会社としては最多の進出国数を誇る海外店舗網とサポート体制を活用し、訪日外国人の需要の掘り起こしを積極的に行ってきた。
今回設立する新会社のビジネスモデルは、日本初の取り組みであり、ANAの強みである51都市115路線の国内線とH.I.S.の強みである海外店舗網を活かし、ANAの国内線と日本国内のホテルやレンタカーなどを自由に組み合わせる。これにより、訪日外国人の増加を狙う。なお販売は、訪日外国人をターゲットとし、H.I.S.の海外100拠点の店頭販売と、H.I.S.が運営する39ヶ国41サイトの多言語対応ができるWEBサイト上で展開する。
H.I.S.ならびにASXは、日本各地の魅力を発信し、世界に広げることで、訪日需要を喚起し、日本各地の活性化による「日本の元気の実現」を目指してまいります。
新会社は、本年11月の設立を予定。会社名は現在のところ未定。資本金は6億円で、出資比率はH.I.S.が51%、ASXが49%。H.I.S.の広報部では2020年度に100億円の取扱額を目指す」とコメントしている。(編集担当:慶尾六郎)