7月消費支出、4ヶ月連続減。震災時に次ぐ長さ

2014年09月01日 07:11

 消費税増税が実施される前の3月には、駆け込み需要により各業界とも大きく業績を伸ばしたが、しかし4月になって消費税が増税されると消費者の消費が鈍り、反動減が発生。その影響はようやく収束傾向に入りつつあるものの、まだ完全になくなったわけではない。そうしたなか、29日に総務省が7月の家計調査を発表。それによれば、2人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり前年同月比5.9%ダウンの28万293円(物価変動の影響を除いた実質)であり、これで4ヶ月連続で前年同月を下回ることとなった。この4ヶ月連続という長さは、東日本大震災の発生により消費に対して自粛ムードが高まった2011年3月~11月の9ヶ月連続マイナスに次ぐ長さである。

 4月に実施された消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減により、家具などの耐久消費財が落ち込んだことが原因とみられている。またそのほかにも、台風の影響により外食や国内外の旅行の減少などが影響したものとみられる。そして7月の1世帯あたりの食料品支出の内訳を見てみると、米は前年同月比8.0%ダウンの1837円であり、牛乳や生鮮魚介も大幅に数値を減少させた。

 消費税増税後、消費支出は一度大きくマイナスとなり、その後、6月には回復傾向がみられたものの、7月に入って再びマイナス幅が広がった。総務省は今回の結果に対して、台風などの天候不順の影響も大きく、全体的に消費支出は持ち直しつつあるという判断は変わらないとしているが、しかし2人以上の世帯のみならず、勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯あたりの消費支出も前年同月比3.6%ダウンの31万1693円と、こちらも4ヶ月連続で前年同月を下回っている。そして実収入については前年同月比6.2%ダウンの55万5276円であり、こちらは10ヶ月連続で前年同月を下回ることとなった。

 政府は現在、15年10月に再び消費税を10%に値上げすることを検討しているが、しかし現状を鑑みるに、再値上げすることでさらに消費が落ち込むことも予想される。未来の日本のために消費税増税が必要なことは理解できるが、しかし再値上げを行う前に、もう一度十分な議論が必要となるのではないだろうか。(編集担当:滝川幸平)