安倍晋三総理は6日の衆院予算委員会で、集団的自衛権行使を含め、自衛隊の防衛出動、武力行使について「国会の事前、事後の承認が必要という法律になっていく」と答弁した。
安倍総理は「個別的自衛権についてもさまざまな状況を判断したうえで防衛出動や武力行使を判断するわけだが、国会の事前・事後の承認が必要。法改正を進める上では、それに関わる防衛出動、武力行使については国会の事前、事後の承認が必要という法律になっていく」とし、安保法制整備の中で、事前・事後の国会承認を必要とする規定が盛り込まれるとの認識を示した。
民主党の階猛議員の質問に答えた。階議員は集団的自衛権行使3要件のひとつ「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」の「明白な危険」について、(1)攻撃国の意思、能力(2)事態の発生場所(3)その規模、態様、推移などの要素(4)わが国に戦禍が及ぶ蓋然性(5)国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性などの情報を、政府が総合して客観的、合理的に判断することになっているが、明白な危険の有無の判断について「総理は国会の事前または事後の承認が必要との答弁をしている。承認は国会が与えることで間違いないか」と改めて総理に確認した。
安倍総理は「政府としては、ある事態が新3要件を満たすとの判断に至った場合、そもそも憲法上許容される武力の行使を行うために自衛隊に対して防衛出動を命じる際にはこれまでと同様、原則として事前に国会の承認を求めることとしている」としたうえで「事実を含めた情勢認識などの情報を国会や国民に適切に公開し、理解を得て行くことは重要だ」と答えた。
さらに、重要な情報が特定秘密保護法の下で恣意的に隠ぺいされる危険性がないかとの追及に、安倍総理は「内閣府に設置予定の独立公文書管理監に、行政機関に対して十分な検証・監察を行うために必要な権限を運用基準で付与することを検討している」と答えた。
また「各行政機関は閣議決定である運用基準に従わなければならないことから、独立公文書管理監による適正化の機能は果たされると考えている」とし「行政機関が特定秘密の提供を拒む場合には独立公文書管理監にその理由を疎明しなければならないことを運用基準に明記することを検討しているので、特定秘密の漏えいの恐れがないにもかかわらず独立公文書管理監に特定秘密が提供されない場合は極めて限られる」として、独立公文書管理監への権限付与を担保することで恣意的隠ぺいは防げるとした。(編集担当:森高龍二)