9月2日、民主党は役員会で集団的自衛権問題に関する党の見解についての協議を行ったが、結論を出すことができなかった。8月、9月に集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する抗議集会を各地で展開してきたが、その活動を支える議員たちの見解は一致していない。
9月2日、民主党は役員会で集団的自衛権問題に関する党の見解についての協議を行ったが、結論を出すことができなかった。民主党はこれまでも集団的自衛権の行使に対する党の見解について激しい議論を行ってきた。今年3月には一旦「行使一般は認めない」との見解を公表したが、8月には当の海江田万里代表が「現時点では行使は必要ない」と変更を宣言、その海江田代表の見解も「現時点」の意味がわかりづらいと党内で批判され、さらなる変更の必要に迫られていた。その後8月、9月を集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する抗議全国集中行動月間を定めて抗議集会を各地で展開してきたが、その活動を支える議員たちの見解は一致していない。
「民主党はこれだからダメだ」という一言で片付けてはいけない。この問題は、日本の政治全体の問題でもある。一回の国会でどれくらいの数の法律が審議されるか、ご存知だろうか。今年1月から6月まで開かれた第186回国会で審議された法案数は81本。第186回国会の会期は150日間だったので、単純計算で実に2日に一本のペースで法律が審議されていたことになる。半年でこれだけの数の法案が審議される中で、その全てで一つの党が統一見解をもつことを私たちは求めるべきなのだろうか。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や特定秘密保護法、そして集団的自衛権問題・・・各議員の意見が対立する重要な政策課題は多い。TPP問題では自民党内の対立が深刻だし、集団的自衛権問題は自民党内でも限定容認の安倍首相と全面的行使を認める石破氏の対立が内閣改造時にしきりに報道された。自民党とともに与党の一翼を担う公明党でも意見の対立があり、政界再編を目指す野党でもこの意見の対立が影を落としている。しかし、これらの対立は国民同士の意見の相違を代表しているとも言え、単純に解消できるかと言えばそうではない。
日本の政治制度は、その地域の住民の意思を代表する地域代表的な性格が強い。私たちが一票を投じた議員に私たちはどのような行動を望んでいるだろうか。議員が単なる「党の駒」であるならば、衆参合わせて700人以上も存在している意味はないのではないだろうか。これまで日本は党議拘束があるイギリスの議会制度を参考にこれまで歩んできた。しかし重要課題が山積する今こそ、制度について再考すべきなのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)