病院や薬局で処方される「処方薬」を半数以上の人が飲み残していることが、日本調剤株式会社の調査で分かった。
「自分に処方された薬の効き目(薬効)について知っていますか」と聞いたところ、「よく知っている」人が52.2%と最も多く、次いで「なんとなく知っている」が43.3%。ほとんどの人(95.5%)が薬の効き目を把握している。
「自分が服用している薬の副作用について知っていますか」と聞いたところ、自分が服用している薬の副作用について、「よく知っている」人は全体の21.2%、「なんとなく知っている」が最も多く42.3%。一方、「ほとんど知らない」30.0%と「全く知らない」6.6%を合わせ、約3割の人が副作用について把握していない。
「処方された薬に飲み残しが生じることはありますか」と聞いたところ、「よくある」14.7%、「たまにある」39.2%となり、半数以上の人が処方薬に飲み残しが生じることがあると回答。属性別にみると、最も飲み残し薬が生じる人の割合が高いのは20代男女で、逆に最も少ないのは50代男性だった。
「飲み残し薬が生じる理由はなんですか」と聞いたところ、「服用するのをつい忘れてしまうから」が最も多く65.8%。次いで、「体調回復などにより飲む必要がなくなったから」30.0%、「指示通りに飲まなくてもよいと思うから」等、自己判断で服用を中止している人が4割近く。
「飲み残した薬がある場合はどのようにしていますか」と聞いたところ、最も多い回答は「保管しておく」で51.5%。次いで「次回処方してもらう時に調整する」40.2%、「処分する(捨てる)」19.5%。9割近くの人が破棄せずに所持している。
「できる限り薬は飲みたくない」と思うのは当然のことである。しかし、脳梗塞予防のための抗凝固剤や、抗うつ薬の中止は生命の危機に陥ることさえある。抗生物質の中断は耐性菌の出現を強化しかねない。安易な自己判断は避けたいものである。調査対象は「これまでに1ヵ月以上継続して薬を処方されたことがある」全国の20代~60代以上の男女1,021人。調査期間は2014年7月25日~28日。(編集担当:堺不二子)