政府の経済財政運営の司令塔を担う経済財政諮問会議の民間議員に9月16日から就任している日本経団連の榊原定征会長は今月8日、北海道での会合であいさつし、原発再稼働について「ご当地にも泊発電所(北海道電力の原発、場所・泊村)があるが、安全性の確保を大前提に、原発の再稼働プロセスを最大限加速することが必要で、引き続き、政府はじめ関係各方面に働きかけていきたい」と再稼働促進への取り組みを強調した。
榊原会長は「エネルギーの安定供給と経済性の確保は重要な課題」としたうえで「震災後、原子力発電所の停止などにより、産業用の電気料金が平均で約3割上昇し、中小企業を含め、多くの企業が苦しんでいる」と原発の再稼働で電気料金の引き下げを目指す考えを示した。
また、経済について「デフレからの脱却と経済の好循環が始動しつつある」との見方を示す一方、「直近の状況を見ると夏場の異常気象による天候不順もあり、個人消費の落ち込みをはじめ景気指標に変調も見られる」とし「過度に悲観的になる必要はないと思うが、先行きに注意が必要な状況にある」と慎重な見方を示した。
また、榊原会長は地域経済の活性化の重要性をとりあげ「始動しつつある経済の好循環を全国に拡大させていくことが不可欠。そのため、特色ある地域資源を活かし、地域の基幹産業を成長産業へと磨き上げることが重要。北海道経連が取り組む食の総合産業化などは地域産業のモデルとして高く評価されるべきものと受け止めている。経団連としても、こうした活動を後押しする施策を求めていく」と激励した。(編集担当:森高龍二)