野田佳彦前総理は地方創生を内閣の柱の一つに掲げて経済最優先の政策を進める安倍晋三内閣に対し「安倍内閣は発足直後に（民主政権で創設した、地方への）一括交付金を廃止した。安倍内閣には地方創生を語る資格はない。少なくとも政権発足後直ちに廃止した制度を、今ごろになってなぜ復活させようとしているのか、しっかり説明してほしい」と２２日までに自身のかわら版で提起した。
野田前総理は一括交付金について民主政権下で「使い勝手の悪い各府省の縦割りに基くひも付き補助金を廃止し、地方が自由に使える『一括交付金』を創設した。各府省の抵抗により本当に苦労したが、私が財務大臣の時に約５１００億円の一括交付金をつくった。翌年、総理になった時には約８３００億円に拡充した。自治体による評価の高い政策だった」と時節を得た政策であったにもかかわらず、安倍政権になったとたん一括交付金を廃止したとし、そして、今、地方創生で一括交付金を復活させようとしていると一貫性のない安倍政権に説明を求めている。
特に、野田前総理は「地方交付税を減らしてきた安倍政権が今さら地方創生を掲げるなんてちゃんちゃら可笑しい話」と酷評した。加えて「国会に提出された法案（まち・ひと・しごと創生法案）を見ても、中身はスカスカ」内容がないと批判。
野田前総理は「地方創生が来春の統一地方選対策であることは明らか。本気で地方創生、地方分権を進める気は全くないように思う。アベノミクスで強い者をより強くし、都市部と地方の格差を拡大させたことの隠れ蓑にしようとしているのではないか」と強く安倍政権を批判した。そうした中でも、石破茂地方創生担当大臣にだけは「民主党政権時代に創設した一括交付金を地方創生策の一つの柱にしようかというお考えもあるようだが、良いものを良いと認める素直なお人柄は評価します」と綴っている。最も、その前に「総括が必要」と言っているが。野田前総理も石破氏に対する人物評価は高いよう。（編集担当：森高龍二）
