グリー、子会社を通じて動画広告事業に参入

2014年11月07日 12:03

 ひと昔前まで、「動画を観るのは、パソコン」と考えられていた。しかしスマートフォン(多機能携帯電話)の普及、またその通信速度や環境の高速化に伴い、今では多くの人がスマートフォンでも動画コンテンツを楽しむようになった。なかには、「パソコンを立ち上げるのが面倒臭いから」という理由から、スマートフォンだけを使って動画コンテンツを楽しむという人もいるだろう。

 そうした状況の中、ソーシャル・ネットワーキング・サービス「GREE」や、スマートフォン向けゲームなどを手がけるグリー<3632>が4日、子会社である「Glossom(グロッサム)」を通じてスマートフォン向けの動画広告事業に参入するとの発表を行った。

 Glossomは、モバイル動画広告事業を手がけるアメリカの企業「AdColony(アドコロニー)」から、日本向けの独占配信ライセンスを取得。それにより、事業開始当初はAdColonyと同様の広告メニューを提供する。12月中旬ごろに動画広告の料金を発表し、2015年1月より販売を行うという。なお課金形態は完全視聴型で、動画広告が最後まで表示された時に料金が発生。広告はスキップすることができない仕様となっている。そして動画が流れ終わった後には、エンドカードが表示されTwitter、Facebook、YouTube、などに送客することもでき、連携先のサービスは自由に選ぶことができる。

 AdColonyとは、アメリカ大手の動画広告配信プラットフォームで、月間3億人以上のユーザーに対して動画広告が配信されており、売り上げ上位のスマートフォン事業者のうちの70%以上が、このAdColonyへ出稿しているという。そしてAdColonyの特徴は、動画の表示速度が電波状況に大きく左右されるスマートフォンにおいて、約0.1秒で動画広告を再生させることができる点にあり、スマートフォン動画広告配信プラットフォームの市場では、規模、収益性などの観点からトップに位置している。
 
 Glossomはこうした動画広告事業を、非常にポテンシャルを秘めた事業ととらえており、また今後2年間をめどに、動画広告事業はある一定の規模まで成長するとの見通しから、今回の参入を決定した模様だ。(編集担当:滝川幸平)