ソフトバンク、米映画会社レジェンダリーに出資

2014年10月06日 08:18

 国内通信大手のソフトバンク<9984>が積極的な海外企業への投資を行い続けている。今年の夏にはアメリカの大手携帯電話会社「TモバイルUS」の買収交渉を断念したものの、ソフトバンクが海外に向ける強いまなざしはまだまだ光を失ってはいないようだ。

 ソフトバンクは3日、アメリカの映画製作会社「レジェンダリー・エンターテインメント」(カリフォルニア州)に約270億円の出資を行い、また合弁会社を設立することで合意したとの発表を行った。ソフトバンクと「レジェンダリー・エンターテインメント」によれば、合弁会社を設立することで「レジェンダリー・エンターテインメント」が持つコンテンツを活かす体制を整え、中国やインドなどの新興国での市場拡大を目指したいとしている。

 「レジェンダリー・エンターテインメント」が手がけた映画の中で特に有名なのが、日本の有名な怪獣映画をリメイクした「Godzilla(ゴジラ)」や、アメリカの象徴的ヒーローであるスーパーマンシリーズの「Man of Steel(マン・オブ・スティール)」、そしてやはりアメリカの人気ヒーローであるバットマンシリーズの「Dark Knight Rises(ダークナイト・ライジング)」などだ。ソフトバンクとしてはこうした豊富な映像コンテンツを持つ「レジェンダリー・エンターテインメント」に出資、合弁会社を設立することで、通信事業と連携しさらなる顧客獲得をはかりたい考えだ。

 今月内にもソフトバンクは約270億円を出資する予定で、出資比率は1割弱とみられている。また今回の出資に伴い、ソフトバンクのバイスチェアマン、ニケシュ・アローラ氏が「レジェンダリー・エンターテインメント」の取締役に就任することも予定されている。

 スマートフォン(多機能携帯電話)の通信速度の高速化と、端末画面の大型化に伴い、今後ますます動画コンテンツの人気は高まるものとみられる。今回のソフトバンクの出資はこうした流れを見越してのものと思われる。潤沢な資金を武器に海外に熱い視線を送り続けるソフトバンクだが、こうした動画コンテンツの獲得はこれからも加速するとみられている。(編集担当:滝川幸平)