求人数の増加に伴い、サラリーマンが転職する「理由」も少しずつ変化している。インテリジェンスが、転職支援サイト「DODA」を2014年4~9月に利用した3万人のデータを分析したところ、転職活動をしている人の「理由」のトップ3は、1位「ほかにやりたい仕事がある」、2位「会社の将来性が不安」、3位「給与に不満がある」だった。1~9位は前回調査(2013年10月~2014年3月)と同じだが、前回10位だった「倒産/リストラ/契約期間の満了」は13位まで順位を落とし、代わりに「雇用形態を変えたい」がトップ10にランクインした。
転職理由の経年変化を見ると、1位の「ほかにやりたい仕事がある」が引き続き高い水準を保つ一方、2位の「会社の将来性が不安」は下降傾向。両者の差は開きつづけている。リーマン・ショック後の2009年上半期(4~9月)には、「倒産/リストラ/契約期間の満了」が10%を超えていたが、それ以降は下がり続け、今回は3%未満と過去最低を記録した。
全体的に、スキルアップやキャリアアップ、やりたい仕事などを求める「ポジティブ転職」が上位を占める一方、「転職理由の多様化」も進んだ。会社都合や会社の将来性への懸念といった不安感が減少し、「待遇」や「条件」に対する希望があらわになっているようだ。
業種別でみると、全8業種のうち7業種で 「ほかにやりたい仕事がある」が1位になった。前回同様、「メーカー」だけが、「会社の将来性が不安」が1位となっている。一方、全業種のうち6業種で「会社の将来性が不安」の割合は下がっており、また、前回5業種でランクインしていた「倒産/リストラ/契約期間満了」は2業種のみにとどまるなど、景況感の回復が転職理由にも色濃く反映されている。転職市場の活性化で、「ポジティブ転職化」の傾向が続くと同時に、「雇用形態を変えたい」「会社の評価体制に不満がある」の割合も全体的に高くなっている。やりたい仕事をかなえると同時に、より安定した環境やより良い待遇での仕事を求めて、転職を希望している人が増えているようだ。(編集担当:北条かや)