大和ハウスが太陽光発電システム搭載の新工場稼動

2012年07月11日 11:00

 大和ハウスが、7月11日より岡山県赤磐市の岡山工場内に第二工場を稼動させると発表。太陽光発電システム816kWを工場屋上に設置し、10月より中国電力株式会社へ売電、年間売電売上は約3000万円を見込んでいる。

 全国10工場で工業化住宅および建築用鉄骨部材、システム建築部材の生産を行っている大和ハウス。その内、岡山工場は、全工場の生産性向上を図るための「マザー工場」として位置づけられており、生産設備を検証するとともに、ライン配置や作業工程、設備仕様など、全国の工場のモデルとなる生産ラインの構築のため、試作工場としての機能があるという。

 今回の新工場においても、国内外の太陽光発電パネルメーカー4社の最新パネルを導入し、発電効率やメンテナンス体制、経年劣化等の評価・検証もあわせて実施。単結晶型のパネルとしてLGエレクトロニクス製(約207kW:812枚)を、多結晶型のパネルとしてシャープ製(約202kW:840枚)、サンテックパワー製(約205kW:840枚)を、薄膜型のパネルとしてソーラーフロンティア製(約202kW:1344枚)を導入し、各メーカーの発電効率や発電量を計測するという。また、架台の施工金具については、溶融亜鉛メッキ・高耐食溶融めっき鋼板ZAM・ステンレス3種類の材質を採用し、それぞれの耐久性や長期安全性を検証。さらに、太陽光発電パネルを設置することによる工場内の遮熱効果を検証するため、屋内外16ヵ所に温度計を設置し、屋根面と工場内の温度比較も実施する。

 7月より開始されている全量買い取り制度をにらみ、異業種からの参入が相次ぐ電力売電事業。矢野経済研究所によると、2015年度は2010年度比225.8%の1 兆4797億円に、また2020年度には2010年度比263.2%の1 兆7250 億円にまで拡大すると予測されている。こうした市場拡大に乗じた国内メーカーの伸長に期待が高まる一方、消費者としては、電気料金がどれだけ高騰するのかも気になるところではないだろうか。