日本人のゲノムを解析するツールとは 病院や大学・研究機関で疾患や体質データを解析

2014年11月20日 08:33

 国立大学法人東北大学と東芝<6502>は、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」を共同開発したと発表した。これは、2013年10月に独立行政法人科学技術振興機構の「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」公募に採択されたことを受け、ヘルスケアビッグデータ分野での共同研究の成果だ。

 このツールは震災復興事業「東北メディカル・メガバンク計画」における東北大学の研究成果を活用したもの。ジャポニカアレイは、日本人ゲノム情報を高精度かつ低コストで解析可能とする遺伝子解析ツール。東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が新たに同定した日本人に特徴的な約67.5万箇所のゲノム(SNP;スニップ)情報を解読する。東芝では、ゲノムを用いた疾患や体質データの解析研究を行う病院や大学・研究機関等に向けて解析サービスを提供できるよう準備を進めているという。

 また、今後更なる研究成果を反映して、個人の疾病リスクやより個人の体質にあった有効な薬剤の選択、個々人のゲノム情報ならびにライフセンシングデータ装着型ガジェット等のビッグデータを統合化して活用するヘルスケアサービスなどに展開できるようバージョンアップを進めている。国内外の多くのコホート研究に活用されることを目指している。

 東北大学と東芝は、ヘルスケアビックデータ研究に関する連携・協力に関する協定を、2013年8月に締結した。東北大学が医工学連携の下で取り組んでいく様々なヘルスサイエンス分野の研究知見と、東芝が持つセンシング技術やヘルスケアクラウド技術を統合して、各個人の生体情報とライフスタイル情報に基づく、心身の健康管理を行う社会構築に向けた研究(ヘルスケアビックデータ研究)を行っている。

 今回、ToMMoが昨年11月に高精度解読の完了を発表した日本人1000人の全ゲノム解読データに基づいて構築している「全ゲノムリファレンスパネル情報」を用いて、日本人に特徴的な遺伝情報を1枚のチップに搭載してワンステップで解読可能な「ジャポニカアレイ(バージョン1)」を開発した。

 日本人に特徴的な遺伝情報がワンステップで解読可能とは、一昔前ならとても考えられないことだ。これから病院などの機関への提供を進めるということなので、日本人の健康管理に活かしてもらいたい。(編集担当:慶尾六郎)