クラウドを基盤とした次世代映像とは 日本マイクロソフトとNHKが提携

2014年11月20日 08:37

 インターネット社会の進化はとどまるところを知らない。SNSをはじめとする新しいサービスもすっかり根付き、ビジネスにもプライベートにも欠かせないものになっている。その中でデータやソフトウェアをネットワーク経由でサービスとして利用者に提供するというクラウドサービスも、ビジネスには欠かせない存在になっている。

 日本マイクロソフト株式会社は18日、株式会社NHKメディアテクノロジー(NHK-MT)と、クラウドサービスを基盤とした次世代の映像制作の分野で連携したと発表した。今回の提携では、NHK-MTは、同社が運営する次世代クラウド映像制作支援ツール「Coll@Board」(コラボード)においてマイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」(Azure)を採用する。日本マイクロソフトは技術面からNHK-MTを支援する。そして、両社は、このサービスを放送業界での活用を推進し、さらには他業種への展開を視野に入れ、営業面でも連携し、今後3年間で50プロジェクトの獲得を目標とする。

 「Coll@Board」は、2013年11月よりNHK-MTが開発に着手し、実用化をめざし構築を行ってきたサービス。このサービスを導入することで、現場からの素材収集、メタデータ作成、ラフ編集、プレビュー、アーカイビングなどが可能になり、迅速かつ場所を選ばない映像制作や協働作業が可能になるという。

 NHK-MTでは、従来から培ってきた映像制作技術をクラウド基盤上に整備することで、映像コンテンツ制作に関わる多くの方が簡便に利用できるサービスの実現を目指している。今回、映像制作のクラウド化に向けたプラットフォーム(基盤)に拡張性や将来性の観点からマイクロソフトのAzureを採用することを決定した。

 Azureは、パブリッククラウドでのプラットフォームであり、エンタープライズグレードの様々なサービス(コンピューティング、ストレージ、データ、モバイル、ネットワーク、メディア向けサービスなど)が充実していること、全世界でも多数の実績と種別ノウハウがあること、各業界に精通したパートナー企業とのエコシステムを持っていることなど、の理由で採用にいたったという。同社は、同クラウドサービスを11月より順次本格展開する。

 一方、日本マイクロソフトは、NHK-MTのIT パートナーとして、技術協力や同システムの外販における営業活動連携、Azureの日本データセンターを活用したサービス展開など、マイクロソフトの強みを活かした支援を行う。

 今回の発表内容は、2014年11月19日から21日に開催されている「2014年国際放送機器展(Inter BEE 2014)」で、NHK-MTブース、日本マイクロソフトブースで展示されている。(編集担当:慶尾六郎)