メルセデスSクラスにプラグインハイブリッド車追加。この“知能”を持つベンツは7年保証付き

2014年11月26日 10:16

S Class PHV

「S550 PLUG-IN HYBRID long」が搭載するリチウムイオン電池の充電時間は、AC200V電源使用時でフル充電まで約4時間。メルセデス独自の、新車購入から3年間走行距離無制限の一般保証・メンテナンス保証と24時間ツーリングサポートを無償提供する総合保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用される。さらに、リチウムイオンバッテリーをはじめ、すべての部品に4年間の特別保証を適用し合計7年間保証する

 メルセデス・ベンツがプラグインハイブリッド車を本格導入する。手はじめに、フラッグシップ・セダンのSクラスに搭載した。つまり、現行Sクラスの追加モデルとして「S550 PLUG-IN HYBRID(SクラスPHV)long」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークで、11月25日から注文受付を開始した。納車開始は来月12月を予定する。

 この新型SクラスPHVのパワートレーンは、最高出力333ps(245kW)、最大トルク480Nmの新型3リッターV型6気筒Blue DIRECTツインターボエンジンに、最高出力115ps(85kW)、最大トルク35.7kg.m(350Nm)を発生する高出力の電気モーターを組み合わせた。これにより、システム総合出力は442ps(325kW)、統合トルクは66.3kg.m(650Nm)とV8エンジンレベルのパワーを実現した。

 搭載するハイブリッドシステムは、ドライバーの走行スタイルに合わせて、基本の「HYBRID」、極力モーターのみで走行する「E-MODE」、バッテリーの充電レベルを維持する「E-SAVE」、回生ブレーキなどにより充電を最大化する「CHARGE」の4つの走行モードが選択可能だ。

 搭載するリチウムイオン電池の充電時間は、AC200V電源使用時でフル充電まで約4時間。充電完了時間はマルチファンクションディスプレイで設定可能となっている。また、回生ブレーキなどにより走行中も充電を行なう。大容量リチウムイオンバッテリーを搭載しながらトランク容量は365リッターとプラグインハイブリッドモデル最高水準を確保している。

 昨年、市場に投入したメルセデスの最上級セダンSクラスは、安全性と快適性を高次元で融合し、“知能を備えた”ともいうべき新時代の革新的テクノロジー「インテリジェントドライブ」を備えている。今回追加となった新型SクラスPHVにも、その“知能”は継承されるのは言うまでもない。

 「インテリジェントドライブ」の土台となっているのが、クルマの周囲360°をカバーする複合的なセンサーシステム。フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラは、最大500mの範囲で大まかな様子をモニターするほか、ふたつのカメラで車両前方約50mの範囲を立体的に捉える。ミリ波レーダーセンサーは、フロントおよびリアバンパー側面に内蔵された25GHzの短距離レーダー4個、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個から構成され、これらセンサーから得られたデータを高度なアルゴリズムで解析することにより、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出する。結果として状況を判断し、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする「部分自動運転」を実現している。

 この「部分自動運転」技術をこれまでのSクラスのガソリンモデルでは、車間距離を自動で調整し先行車両に追従するディストロニック・プラスや、車両後方の死角をモニターし側面衝突の危険を回避するアクティブブラインドスポットアシストなどの予防安全に利用してきた。が、新型PHVでは、さらにこの「部分自動運転」技術を活用し、クルマの周囲の状況に合わせて回生の強さや作動時間を調整することでゼロエミッション走行の距離を極限まで伸ばす「インテリジェント・プラグインハイブリッド」となった。

 新型SクラスPHVにもメルセデス独自の、新車購入から3年間走行距離無制限の一般保証・メンテナンス保証と24時間ツーリングサポートを無償提供する総合保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用される。さらに、リチウムイオンバッテリーをはじめ、すべての部品に4年間の特別保証を適用し合計7年間保証するという。

 メこの新型SクラスPHVの価格は1590.0万円。このモデルにはエコカー減税が適用され、自動車重量税、自動車取得税が100%免税となり、さらにクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金を最大85万円受けることができる。(編集担当:吉田恒)