自民党の稲田朋美政調会長は自民党の重点政策(政権公約)として25日に発表した際、記者団に「Jファイルをつくるのか、いつまでにつくるのか、Jファイルの公約との位置づけは」と聞かれ、「Jファイルに書かれていることは正式な公約とはまた別のものになろうかと思う」と微妙な表現をした。
稲田政調会長は「政策バンク」と題して、経済再生・財政再建、地方創生・女性活躍推進、暮らしの安全・安心・教育再生、地球儀を俯瞰(ふかん)した積極平和外交、政治・行政改革、憲法改正の6分野について記されたものは「公約と受け取って頂いていい」と述べた。
ただ、安倍晋三総理は集団的自衛権に対する解釈変更に関して、今年7月14日の衆院予算委員会、外交・安全保障政策集中審議で生活の党の村上史好議員が「解釈変更の閣議決定は安全保障の大転換にあたるが、この件について国民の信を問う考えはないか」と質したのに対し「私は自民党の総裁選挙に出た時から解釈変更を訴えてきたし、衆参選挙の自民党のJファイルにも書き込んであり、そのうえで、私たちは衆参選挙で勝利を得て、政権を維持している」と答え、「現段階で解散を考えているわけではない」と答えていた。
「Jファイルに書かれていることは正式な公約とはまた別のものになろうかと思う」(稲田政調会長)ということになれば、正式な党の公約でないものに対し、さきの衆参選挙で解釈変更の支持を国民から得て勝利しているとの総理の論理には疑問符がつきそう。
ちなみに稲田政調会長は「今回はJファイルを冊子として配る時間的余裕がないので、参議院選挙から今までに変わったことや上書きなどを大車輪で直しており、データとして(党のHPに)アップすることになろうかと思う」と語った。(編集担当:森高龍二)