紅茶飲料市場、ロングセラーブランドと新ブランドの戦略の相違とは

2012年07月09日 11:00

 数年前から市場が拡大している紅茶飲料。こうした状況を受けて、ロングセラーブランドが定着し、主にその中で数々の商品展開がなされてきた紅茶飲料市場に、好機とみた飲料メーカーが新ブランドを立ち上げて商品展開を開始。現在では群雄割拠となり、数々の個性的な商品がラインナップしている。しかし、今夏の動向をみると、ロングセラーブランドと新ブランドとの間に戦略の違いが見て取れるように感じる。

 ダイドードリンコは、昨年から「ALOALO」ブランドを展開。この、大人っぽさと可愛さを兼ね備えたパッケージも特徴的な「ALOALO」ブランドから、今夏は「ALOALO アセロラ&ハイビスカス」を新商品として市場に投入し、夏らしいアセロラの爽やかな甘み、ハイビスカスをはじめとする4種類のハーブによるやさしい香りと酸味で新たな世界観を提案。ブランドの市場定着と拡大を図っている。

 また伊藤園も2009年に「TEAS’ TEA」ブランドを日本市場へ投入。今夏は、爽やかな香りと甘酸っぱさが絶妙な「TEAS’ TEA グレープフルーツティー」と、季節限定となるマンゴーティーに爽やかなレモンをひと搾り加えた「TEAS’ TEA マンゴーティー」の販売を開始。TEAS’ TEA」ブランドらしいフレーバーティーでの商品展開となっている。

 一方、ロングセラーブランドである「午後の紅茶」を展開するキリンビバレッジは、本格フレーバードティーとして「キリン 午後の紅茶 ヨーロピアンスタイル」2商品を新発売している一方で、「おいしい無糖」のキャンペーンを大々的に展開。「おにぎりに紅茶はアリ?」というキャッチコピーのもと、10万人に実食体感を実施し、結果91%もの人が「アリ」と回答したことを大きく謳っている。また、乳酸菌を使用した朝向けのチルド紅茶「キリン 午後の紅茶 ティーグルト 朝のジューシーグレープフルーツ」も新たに販売を開始。新たにヨーグルトテイストの紅茶を提案している。

 さらに、森永乳業が展開する「リプトン」では、「リプトン紙パック500ml」シリーズから「リプトン 50/50 ティー&レモネード」を期間限定で新発売。10年ほど前からアメリカで定番となっている紅茶をレモネードで割った飲み物を、いまだ馴染みのない日本で提案する商品となっており、濃く甘酸っぱいレモネードと心地よい紅茶の後味で、リフレッシュしたいときにぴったりの味わいに仕上がっているという。

 こうして新規ブランドとロングセラーブランドとの商品展開・動向をみると、前者は紅茶の「新しい味」を提案しているのに対し、後者は紅茶の「新しい飲み方」の提案をしていると言えるのではないだろうか。この差異は、単に新規ブランド特有の市場への定着を図る必要性からくるものなのか、今後の市場動向予測の相違によるものなのか。暫くは目の離せない市場と言えるであろう。