4月に実施された消費税増税の影響により落ち込んだ消費者の消費マインドの低下、その回復はまだなされたとは言い難い。さらにそれに追い打ちをかけるように相次いで大型台風の上陸。「長引く消費税増税の影響」「大型台風の上陸」これらにより各業界の業績が落ち込みをみせている。そして28日に日本電機工業会(JEMA)が10月の白物家電の10月の国内出荷額を発表。それによれば国内出荷額は前年同月比13.6%ダウンの1323億6500万円という結果であり、2カ月ぶりに前年を下回ることとなった。
こうして白物家電の国内出荷額が前年を下回ることとなったのは、消費税の増税の影響による消費者の消費マインドの低下、そして2回の大型台風の上陸により客足が伸び悩んだことなどが影響している。製品別に見てみると、冷蔵庫が前年同月比17.9%ダウンの255億5000万円で、洗濯機が前年同月比18.3%ダウンの180億6500万円という結果。どちらとも2カ月ぶりに前年を下回ることとなった。そしてルームエアコンは前年同月比24.4%ダウンの226億200万円であり、こちらは6ヶ月連続で前年を下回ることとなり、ルームエアコンについては消費税増税前の駆け込み需要にて前倒しで購入されたケースが目立ったため、出荷額の落ち込みが長引いている。
日本電機工業会は今回の結果について、今年の10月には大型台風の上陸が相次いだため、客足が遠のいた。そして去年の10月には消費税増税を見越した駆け込み需要が発生し出荷が増加したことの反動により、落ち込みは大きくなったとの見解を示している。しかし今後の見通しについては、白物家電には安定的な買い替え需要があり、消費の底堅さは続くとの考えも示している。
白物家電の主な製品が相次いで前年を下回る結果となった10月の国内出荷額だが、はたして日本電機工業会が持つ見解のように推移するかどうかはわからない。まだ油断はできない状況は続いていると言ってもいいだろう。どうやら2014年いっぱいは、家電業界に限らずいずれの業界ともに「消費税増税の影響」という魔物に苦しめられそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)