子供の数が減り、高齢化社会になりつつあると言われている日本だが、そのように増加傾向にあるシニア世代をターゲットとした商品やサービスが続々と発売されている。なかでも家電メーカーはこのシニア世代へ向けた商品開発に注力しており、シャープ<6753>は調理家電「ヘルシオ」シリーズのオーブンレンジでシニア向けの新商品「AX-SA100」を8月に発売している。この「AX-SA100」は液晶操作のボタンを大きく表示することのできる「デカボタン」機能を搭載するとともに、本体を小型化するなどシニア世代の夫婦向けに設計されている。
こうして各家電メーカーがシニア世代に熱い注目を注ぐなか、パナソニック<6752>が17日にシニア世代向けの家電新シリーズ「Jコンセプト」を発表した。この「Jコンセプト」では50代・60代のシニア世代をターゲットとした白物家電を発売するとしており、10月下旬よりエアコンを、その後、掃除機や冷蔵庫、炊飯器やテレビなどのAV(音響・映像)機器も発売するという。さらには海外輸出も検討している。
「Jコンセプト」で発売されるエアコンは、暖房の吹き出し最高温度が従来よりも約10度高い、約60度に設定されている。また、温風を足元に届きやすくするなどの工夫がなされている。想定価格は標準モデルの「Xシリーズ」が21~33万円。そして掃除機は、業界初となる特殊な樹脂を採用することにより、重さを従来の掃除機の半分程度である約2キロとした。これにより、シニア世代であっても楽に持ち運びすることができる。想定価格は5万5000円。そのほか、冷蔵庫では冷凍庫のドアの高さを低くし、中に入れた食品などが取り出しやすいような工夫がなされている。
パナソニックはこれら「Jコンセプト」の商品を2018年度までに8~10商品展開するとしており、また売上高は家電全体の1割にあたる1000億円を目標としている。
高齢化社会の進行は、今のところとどまる気配はない。そういたことからも、こうしたシニア世代に優しい家電は今後も続々と発売されていくものと思われる。(編集担当:滝川幸平)