ひと頃と比べると、あまり「LCC(ローコストキャリア、格安航空会社)」という言葉を耳にしなくなったと感じるのは、筆者だけだろうか?振り返ってみると、去年の今頃はなにかとこの「LCC」が世間の関心を惹きつけ大きな話題となっていた気もするのだが、それはそれだけ「LCC」が世間で広く認知され、旅行の際の移動の一手段としてもう当たり前の存在となったから、という風にも考えることができる。
しかしそうして「当たり前の存在」になったということは、それだけ多くの「LCC」が誕生し、そしてそれにともない競争が激化しているということでもある。そうしたなか、成田空港を拠点とする「LCC」のジェットスター・ジャパンが3日、2015年2月より初めて国際線に就航するとの発表を行った。
3日、ジェットスター・ジャパンは15年2月28日より関西空港と香港を結ぶ路線を開設し、1往復を週3日運航させるとの発表を行った。海外に本社のあるジェットスターグループの航空会社は、すでに成田空港にて発着する7路線の国際線の運航を行っているが、日本に本社のあるジャットスター・ジャパンにとってはこれが初の国際線となる。現在の予定では1往復を週3日運航させるとのことだが、利用状況によっては増便させることも検討しているという。運賃は片道5990~3万3490円。燃料価格に応じて国際線の航空運賃に上乗せする、燃油特別付加運賃(サーチャージ)が別途必要。
現在、「LCC」の数は増えその競争は激しさの一途を辿っている。そのためジャットスター・ジャパンは3年連続の赤字という苦境に立たされている。こうした状況を改善するための一手として、今回の国際線就航を決定した模様。またこの国際線就航のために、11月には70億円の増資を行っていた。
関西空港は24時間営業であるため、深夜から未明にかけて発着する「LCC」が増えている。今回のジェットスター・ジャパンの国際便も、3月29日以降の関西国際空港着は午前2時5分と最も遅い時間だ。「LCC」はその料金を安くするために無駄なく航空機を活用する必要がある。そういう点からも、今後「LCC」の深夜発着便はますます増加するのではないかと言われている。(編集担当:滝川幸平)